家相建築設計事務所様 連載(27)~家相の流儀・流派~(H25.11.12)

こんにちは、佐藤秀海です。
 
今回から、今年9月に発売された拙著「よくわかる家相と間取り」(エクスナレッジ)のポイントを説明したいと思います。先日も、この本の読者がわざわざ大阪から私の事務所まで来訪されました。正しい家相を知っていただくためにも、一人でも多くの方に手に取ってほしいと思います。
 
この本では、まず、今まで私が設計監理を行った方への取材から始まりました。土地選びからお手伝いしたケースから間取りのみ修正したケースまで、私と担当の女性編集者とカメラマンが直接、いくつかの家を訪ねました。編集者自身も家相についての知識もそれほどないので、素人目線からの質問もあり、私も取材を楽しませてもらいました。
 
最初に訪ねたのがTさん一家でした。
Tさんは奥さんとかわいらしいお嬢さんとの3人家族で、家相については奥さんがこだわっていました。土地探しも大変で50~60件の候補からやっと土地を選んで施工はミサワホームに決めていました。
間取りについても、こだわりがありました。自分たちの希望を何とかして取り入れたいけれど、家相も無視できない。考えれば考えるほど、悩んだそうです。
 
家相を取り入れた家づくりというと、何もかもあきらめなくてはいけないと思ってしまいますが、そうでもありません。施工会社の中には「家相を取り入れると家が建たない。」とまで言い切るケースもありますが、そんなことはありません。
たしかに、無理な注文に関してはあきらめることは必要です。小さな器にたくさんの物を詰め込んでもあふれるだけです。
 
一番大切なことは、限られた条件の中で最良を目指すこと。
 
すべての希望を取り入れても、よい家になるわけではないのです。本当な必要なものだけ取り入れた家が、シンプルで素敵な家に仕上がります。
 
Tさんの家は、ご家族の希望をすべて受けとめて、私がまとめました。もちろん、採光や通風にもしっかり考慮して、家相もよくて住みやすい間取りにまとめてあります。
何よりも、ご家族の努力が報われたことが、私の喜びです。