税理士並河の税界よもやま話⑳(H21.11.20)

★歌は世に連れて 
平成の世になってから特に歌謡曲に目立ったヒットがないことが気になります。
その理由としてカラオケが定着したため、カラオケで歌えそうな曲しか流行らないとか、米アップル社のアイポッドやソニーのウオークマンのような携帯音楽プレーヤーによる音楽配信のせいでCDが売れなくなったなどと云われますが、それだけでしょうか。
作家の白川道氏は夕刊フジの「俺ひとり」というコラムの中で「演歌が廃れたのは日本人的演歌の心まで廃れたため」と指摘していました。
確かに演歌の心を表す義理、人情、涙といったウエットな情緒が今の日本人の自己中心的、クールでドライな人間模様とマッチしなくなったことが考えられます。
国内音楽では沖縄の音楽が持続的に人気がありますが、三線や踊りが合わさり、時代を超えた音楽が現代の日本人に癒しとして受けているかもしれません。
先般JVC・ケンウッドホールデンクスがもつビクター音楽部門の身売り話がマスコミに出ていました。
歌謡曲全盛の昭和の時代には憧憬の的だったコロムビア、ビクター、キングといったレコード会社も今はユニバーサルミュージック、エイベックスグループ、ソニーミュージックといった新興各社の後塵を拝しています。
★CMソングあれこれ
私が社会人となった昭和40年代の職場の宴会ではまだカラオケがなかったので、酔って興に乗ると伝統的な手拍子を合わせながら歌を唄っていた。
当時私の宴席での特技はCMソングを30曲ばかりレパートリーとして持ち(時代をかなり先取りして)その場にあわせた曲目を披露することでした。
CMソングではサントリー、コカコーラ、明治製菓、清酒メーカーといった食品メーカーに傑作が多かったが、日立グループ(この木なんの木)、ブリジストン(どこまでも行こう)のようなイメージソングにもいい曲がありました。
税務大学校専科研修の頃の話ですが、班対抗の演芸大会があり、私は得意のCMソングを4つばかり選んでミュージカル風に企画演出を行いました。
その中でカステラの文明堂ではラインダンスをやり、琵琶湖温泉ホテル紅葉では出演者全員が上半身裸で「ハダカ天国!ホテル紅葉! イネムリ天国!ゼイム大学!」と叫び、少々やりすぎたかと心配したが、当時の税大の幹部はにやにや笑って見物してくれました。
その年の研修旅行の夜の宴会場で大阪局のS氏が舞台狭しとばかりストリーキングのパフォーマンスを行い、その場にいた松尾代表はじめ我々一同は唖然として見ていた。
まだ専科に女性が採用されていないとはいえ、その後S氏に何のお咎めもなかったというから今思えば鷹揚な古き良き時代でした。
★年の瀬の第九
日本では年末になると何故か各地で第九の演奏会が数多く行われます。
第九の合唱は聞くだけではなく、素人でも自ら参加して共に歌おうという風潮が近年増えてきており、私も数年前に参加して「歓喜の歌」を堪能することができました。
カラオケはそれなりに結構楽しくて良いのですが、大勢の人と合唱したり、斉唱すると気分が高揚して楽しさが倍加することがあります。
私がプロ野球の阪神タイガースを永年応援している理由の一つに球場で「六甲おろし」を高吟する楽しみがあるからです。
新宿には昭和30年代から続いている歌声喫茶「ともしび」があり、当時若かったお客さんも中高年になりましたが、店内は夜は酒場に変わったとはいえ、往時の雰囲気そのままの歌声が響いております。
「声力は精力」に通じ、声は健康のバロメーターです。
元気な声は己の自信となるだけでなく、周囲を勇気付け、場を盛り上げたりします。
大いに歌でも歌って声を出し、巷に蔓延してる不景気風(新型インフルエンザ含む)を吹き飛ばそうではありませんか!