税理士並河のよもやま話「ラグビ―日本代表の快挙!」(H27.10.13)

1 W杯の歴史的勝利
 毎年秋に発表されるノーベル賞で今年は医学生理学賞に大村智氏が、物理学賞に梶田隆章氏がそれぞれ受賞し日本列島は賞賛の声に湧きました。
 一方スポーツ界ではラグビー日本代表が英国で開催のワールドカップにおいて初戦で世界第三位の南アフリカを破る大金星をあげて世界中を驚かせました。
 ラグビーのWカップは第1回が1987年(昭和62年)と意外に新しく、日本はその7回全てアジアのトップとして出場していますが、戦績は1勝2分21敗という惨憺たるものでした。(ちなみにサッカーのWカップ第1回は1930年と歴史が古い)
 したがって今回のW杯出場は(日本が4年後の開催国になることも合わせ)ほとんど期待していなかっただけに奇跡的という表現もあながちオーバ―ではありません。
 試合間隔が短かったスコットランド戦では後半バテて大敗を喫したもののサモア戦、アメリカ戦では快勝して南ア戦の勝利がフロックでないことを証明しました。
 残念ながらポイント数でベスト8へ進めませんでしたが、想定外の日本の大活躍は日本国中に勇気を与えてくれただけではなく、地元英国の観客を日本びいきにしてホームさながらの大声援を受けてプレーをした選手達は本当に晴れがましく見えました。 
 特にポイントゲッターの五郎丸歩選手のプレースキックの動作が話題となり、「忍者フォーム」、「浣腸スタイル」「サムライ拝みポーズ」等々表現されましたが、彼の精神集中のためのこのルーチンがどれだけチームを救ったか計りしれません。
 この好成績は4年前のカーワン氏から引き継いでヘッドコーチとなったエデイジョーンズ氏の卓越した手腕とその厳しい練習に耐えて頑張った選手達の精進の賜物といえます。
 身体能力で劣る日本代表が大きな体格の外国勢を相手にスクラムやモールで押しこんで行くさまは当初は信じられなかったものです。
 メンバーに外国人が3分の1入っていることにさすがに多いという意見もありますが,協会ルールでは本人又は父母ないし祖父母が日本で出生か、日本に3年以上居住すれば国籍に関係なく代表の資格を得られることになっています。
 試合前の国歌君が代斉唱を皆で肩組み合って誇らしく歌っている顔の表情を見ると日本人と同様いやそれ以上の国の立派な代表者に見えました。
 
2 ラグビーの魅力
 私が集団格闘技といわれるもっとも男らしいスポーツであるラグビーを初めて見たのは1985年(昭和60年)1月15日に国立競技場で行われた日本選手権(社会人代表新日鉄釜石対学生代表同志社大学)の試合です。
 スタンドは史上初の7連覇を目指す釜石の応援に大漁旗が振られ、大学3連覇の同志社も前半こそ互角でしたが後半は地力に勝る釜石が怒涛の攻めで7連覇を達成しました。
 その日は天才ラガーマンといわれた松尾雄治(選手兼監督)の引退試合でもあり、大歓声の中を同僚の騎馬に乗って場内を一周したシーンは鳥肌の立つ感動を覚え、それ以来ラグビーの病みつきになってしまいました。
 当時ラグビーは伝統校といわれる早慶明を頂点とした人気スポーツでしたが、平成になって地域を根ざしたJリーグの台頭等により次第に衰退していきました.   
私はシーズンが到来するとひいきの神戸製鋼、明治大学の試合があるたびに追っかけのように秩父宮通いをしたものですが、近年観戦はずーっと遠ざかっていました。
 ラグビーは実際の試合を見ていると肉弾戦で迫力満点ですが、やっている選手側からはボールを持った人に対し至近距離から車が激しくぶつかってくるようで鍛えられた人でなければとても耐えられるものではありません。
 このように怪我を伴うことが多いためルールが厳しく定められ、レフリーの笛ひとつに試合の進行が委ねられています。
一般的にはルール(特に密集の中の反則)がわかりにくいといって敬遠する方も多い。
 バックスが数十メートルを猛スピードで独走してトライをとることは派手で痛快ですが、小さな体の選手が低いタックルで大きな選手を倒すのも醍醐味の一つです。
 ラグビーは自己犠牲をすることでボールを生かし、最後にトライをした者はサッカーのように観客に向かってガッツポーズすることなく、チームメイトと喜び合い、試合が終われば「ノーサイド」となって敵味方の選手はお互いにたたえ合います。
 応援は鳴りものがなく小旗を振って、ホームもアウェイもない呉越同舟というところが野球、サッカーと違います。
 
3 楽しみな4年後
 私の勤務する税理士法人みらいに昨年元ラガーマンの二反田周平さんが入社しました。
 彼は広島の崇徳高校、京都産業大でラグビーに取り組み、大学の時は元日本代表の大畑大介氏と同じチームで大学ベスト4までいって正月の国立競技場を経験しています。
 当事務所ではラグビーで培った献身的かつファイテイングスピリットで周囲を牽引してもらいたいものです。
 4年後のワールドカップは日本で行われますが、その前に2016年のリオデジャネイロ五輪に7人制ラグビー(セブンズ)がオリンピック正式種目に加わり、日本でのラグビー熱は否が応でも盛り上がってきます。
 そして「さくらのジャージー」が世界を席巻することが決して夢物語ではないことを今大会で教えてもらいました。