法人の中間申告は必要?いつまで?決算月別の期限と判定基準

目次

  1. 中間申告が必要になる法人(法人税)
  2. 決算月別の期限(2026年11月〜2027年9月)
  3. 予定申告と仮決算の選び方
  4. 消費税の中間申告
  5. 法人事業税・法人住民税の中間申告
  6. 納付を忘れた・遅れた場合
  7. よくある質問
  8. まとめ

法人税の中間申告は、前期の確定法人税額が20万円を超える法人(前期12か月の場合)に必要です。期限は事業年度開始から6か月を経過した日から2か月以内で、3月決算は11月30日、9月決算は5月31日です。前期の実績で計算する予定申告が原則で、仮決算による中間申告も選べます。消費税と法人事業税・法人住民税の中間申告は、それぞれの基準で要否を確かめます。

中間申告が必要になる法人(法人税)

法人税の中間申告が必要かどうかは、当期の業績ではなく前期の実績で決まります(法人税法第71条)。次の両方に当たる法人が対象です。

  • 事業年度が6か月を超える普通法人であること(清算中の法人は原則として対象外)
  • 前期の確定法人税額を前期の月数で割り、6を掛けた金額が10万円を超えること(前期が12か月なら、前期の確定法人税額が20万円を超えること)

新たに設立された法人の設立後最初の事業年度は対象外です(適格合併による設立の場合を除きます)。2期目は1期目の確定法人税額で判定し、1期目が12か月に満たない場合は、その月数で割って計算します。法人税の中間申告書を出す法人は、地方法人税の中間申告書もあわせて出します(地方法人税法第16条)。また、令和9年4月1日以後に開始する事業年度からは、法人税の中間申告書を出す法人は防衛特別法人税の中間申告書も出します(国税庁「防衛特別法人税が創設されました」)。

予定申告書や納付書が届かないことがあります。前期の法人税の確定申告をe-Taxで出した法人には、法人税の予定申告書の用紙は送付されず、e-Taxのメッセージボックスに「法人税予定申告のお知らせ」が届きます。令和6年5月以降は、こうした法人やダイレクト納付などを使う法人には、法人税の予定申告分の納付書も事前に送付されていません。一方、消費税の中間申告書兼納付書は、e-Taxによる申告が義務化された法人を除いて引き続き送付されるため、消費税の納付書は届いても法人税の納付書は届かない場合があります(国税庁)。中間申告の義務は法律で決まるため、用紙や納付書が届かなくても期限と金額を確かめます。

決算月別の期限(2026年11月〜2027年9月)

期限は「事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内」です。月末が決算日の法人なら、事業年度が始まった月を1か月目として、8か月目の末日にあたります。期限が土曜日・日曜日・祝日、12月29日〜31日、1月2日・3日に当たる場合は、その翌日(翌日も休日なら、さらにその翌日)が期限になります(国税通則法第10条第2項、同法施行令第2条第2項、国税通則法基本通達)。

決算月事業年度(例)中間申告・納付の期限
2月決算2026年3月1日〜2027年2月28日2026年11月2日(月)※10月31日が土曜日、11月1日が日曜日のため
3月決算2026年4月1日〜2027年3月31日2026年11月30日(月)
4月決算2026年5月1日〜2027年4月30日2027年1月4日(月)※12月31日から1月3日までが休日にあたるため
5月決算2026年6月1日〜2027年5月31日2027年2月1日(月)※1月31日が日曜日のため
6月決算2026年7月1日〜2027年6月30日2027年3月1日(月)※2月28日が日曜日のため
7月決算2026年8月1日〜2027年7月31日2027年3月31日(水)
8月決算2026年9月1日〜2027年8月31日2027年4月30日(金)
9月決算2026年10月1日〜2027年9月30日2027年5月31日(月)
10月決算2026年11月1日〜2027年10月31日2027年6月30日(水)
11月決算2026年12月1日〜2027年11月30日2027年8月2日(月)※7月31日が土曜日、8月1日が日曜日のため
12月決算2027年1月1日〜2027年12月31日2027年8月31日(火)
1月決算2027年2月1日〜2028年1月31日2027年9月30日(木)

曜日と祝日は内閣府「国民の祝日について」で確かめています。9月決算法人の場合、2026年10月1日から始まった事業年度の中間申告・納付の期限は2027年5月31日(月)です。前期(2026年9月期)の確定申告の期限は原則として2026年11月30日(月)なので、前期の確定法人税額が決まった時点で、中間申告が必要かどうかと、予定申告の金額(前期が12か月なら前期の確定法人税額×6/12)がわかります。法人の消費税の中間申告が年1回の場合も、同じ日が期限です。

予定申告と仮決算の選び方

予定申告(前期の実績による中間申告)

前期の確定法人税額 ÷ 前期の月数 × 6 で計算します。期限までに中間申告書を出さなかった場合も、その期限に、前期の実績による中間申告書を提出したものとみなされます(法人税法第73条)。

仮決算による中間申告

事業年度開始の日から6か月の期間を1事業年度とみなして所得を計算し、その税額で申告します(法人税法第72条)。中間申告書には、その期間の貸借対照表・損益計算書などを添付します。

  • 仮決算で計算した税額が予定申告の税額を超える場合は、仮決算による中間申告はできません。
  • 予定申告の金額が10万円以下などで中間申告が不要な法人は、仮決算による中間申告もできません(その期間に災害損失金額がある場合を除きます)。
  • 期限までに出さないと前期の実績による中間申告とみなされるため、仮決算にするかどうかは期限前に決めます。

仮決算は、上半期の業績が前期より大きく下がっていて、予定申告の税額との差が決算と同じような作業の手間に見合う場合に検討します。中間申告で納めた税額は確定申告で差し引かれ、引ききれない分は還付されます(法人税法第74条第1項・第79条)。

税理士に相談したほうがよい場合

  • 上半期の業績が前期より大きく下がり、仮決算にするかどうかを期限前に決めたい
  • 前期が設立1期目や決算期の変更で12か月に満たなかった、合併があったなど、予定申告の金額の計算が通常と違う
  • 法人税の中間申告に加えて、消費税の中間申告が年3回・年11回になり、期限の管理が複雑になってきた
  • 前期の確定申告をe-Taxで出していて、予定申告のお知らせの確認と納付をだれが担当するか決まっていない

反対に、前期の確定法人税額が20万円以下(前期12か月の場合)で、消費税の中間申告もない法人は、外形標準課税の対象法人などを除き、中間申告の手続きは通常ありません。

税理士法人みらいでは、顧問・決算業務の中で、法人税・消費税・地方税の中間申告の要否の判定と期限の管理、予定申告と仮決算のどちらにするかの判断、中間申告書の作成を担当します。決算・申告だけのご依頼もお受けしています。期中の中間申告の要否の判定や期限の管理まで含めるかどうかも、ご依頼の内容に応じてご相談ください。違いは決算だけ税理士に頼める?依頼できる範囲と、年1回の依頼で気をつけることで、顧問の内容は税務・会計顧問でご覧いただけます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

消費税の中間申告

消費税の中間申告は法人税とは別の制度で、直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない年税額)で回数が決まります(消費税法第42条、国税庁 タックスアンサーNo.6609)。

直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数1回あたりの中間納付額
48万円以下原則不要(任意の中間申告制度あり)―
48万円超 400万円以下年1回確定消費税額の6/12と、その78分の22の地方消費税
400万円超 4,800万円以下年3回確定消費税額の3/12と、その78分の22の地方消費税
4,800万円超年11回確定消費税額の1/12と、その78分の22の地方消費税

期限は、各中間申告の対象となる期間の末日の翌日から2か月以内です。年11回の法人の最初の1か月分は、課税期間開始の日から2か月を経過した日から2か月以内です(消費税の確定申告の期限延長の特例を受けている法人は扱いが異なります)。免税事業者、課税期間の短縮の特例を選んでいる事業者、新たに設立された法人(合併による設立を除く)の設立の日を含む課税期間などは、中間申告の対象外です。直前の課税期間が12か月に満たない場合は、中間納付額の計算方法が異なります。

消費税も仮決算による中間申告ができますが、計算した税額がマイナスになっても還付は受けられません。また、期限までに提出しないと前期の実績による中間申告書の提出があったものとみなされるため、期限後に仮決算の申告書を出すことはできません(国税庁 No.6609)。法人税は不要でも消費税は必要、という組み合わせもあるため、両方を確かめてください。

なお、国税庁のNo.6609には、令和9年4月1日からの2年間の飲食料品の消費税率の引下げにあわせて、中間申告の計算方法の特例が設けられると書かれています。この引下げは、令和8年9月15日に閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」で示された改正案で、飲食料品の消費税率を1%(国・地方合計)にするものです。この内容を盛り込んだ法律案は令和8年10月9日に国会へ提出され、10月19日時点では衆議院で審議中で、まだ成立していません。国税庁・財務省は、成立した場合の内容として資料を公表しています。成立して内容が確定するまでは、国税庁の「消費税率引下げ特設サイト」で最新の情報を確かめてください。個人事業者の消費税の中間申告は個人事業者の消費税中間申告(8月31日期限)の実務で解説しています。

法人事業税・法人住民税の中間申告

法人税の中間申告書を出す法人は、法人住民税(都道府県民税・市町村民税)の中間申告も必要です(地方税法第53条・第321条の8)。法人事業税・特別法人事業税も、事業年度が6か月を超える法人には中間申告の義務がありますが、所得を課税標準とする法人で法人税の中間申告義務がない法人は不要です(東京都主税局「法人事業税・法人都民税Q&A」)。期限は法人税と同じく、事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内です。

  • 前事業年度に外形標準課税の法人として申告した法人などは、法人税の中間申告義務がなくても、法人事業税・特別法人事業税の中間申告が必要です。
  • 予定申告の税額は、法人事業税・特別法人事業税が「前期の税額÷前期の月数×6」、法人都民税の法人税割が「前期の税額×6÷前期の月数」で、均等割は事業年度開始の日から6か月間の実績で計算します。
  • 法人事業税は、仮決算による税額が予定申告の税額を超える場合は仮決算による中間申告ができません。法人税で仮決算による中間申告ができない場合は、法人都民税も仮決算によることはできません。
  • 東京都23区内の法人は、市町村民税相当分も法人都民税として都税事務所に申告します。西東京市・東久留米市など市部の法人は、都税事務所に法人事業税・法人都民税を、市役所に市町村民税を申告します。

納付を忘れた・遅れた場合

中間申告で納める法人税は、中間申告書の提出期限までに納付します(法人税法第76条)。期限までに納めないと、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞税がかかります(国税通則法第60条)。

期間令和8年1月1日〜12月31日の延滞税の割合
納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8%
納期限の翌日から2か月を経過した日以後年9.1%

令和9年の割合は、前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合をもとに決まります(国税庁 タックスアンサーNo.9205)。中間申告書を期限までに出さなかった場合は、前期の実績による中間申告書を提出したものとみなされるため(法人税法第73条)、申告は済んだ扱いになりますが、納付はご自身で行う必要があります。

よくある質問

Q. 法人税の中間申告が必要かどうかは、どう判定しますか?

A. 事業年度が6か月を超える普通法人で、前期の確定法人税額を前期の月数で割って6を掛けた金額が10万円を超える場合に必要です(法人税法第71条)。前期が12か月なら、前期の確定法人税額が20万円を超えるかどうかで判定します。当期の業績ではなく前期の実績で決まり、設立後最初の事業年度(適格合併による設立を除く)は対象外です。

Q. 9月決算法人の中間申告の期限はいつですか?

A. 事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内で、10月1日に始まる事業年度なら5月31日です。2026年10月1日に始まった事業年度の場合、期限は2027年5月31日(月)です。期限が土曜日・日曜日・祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)などに当たるときは、休日明けの日が期限になります。

Q. 業績が下がっているので、中間納付の金額を減らせますか?

A. 仮決算による中間申告を選べば、事業年度開始の日から6か月間の実績で計算した税額で申告・納付できます。ただし、仮決算の税額が予定申告の税額を超える場合は仮決算によることはできず、貸借対照表・損益計算書などの添付も必要です。期限までに申告書を出さないと予定申告をしたものとみなされるため、期限前に判断します。

Q. 中間申告書を出し忘れたり、納付が遅れたりするとどうなりますか?

A. 法人税の中間申告書を期限までに出さなかった場合は、前期の実績による中間申告書を提出したものとみなされます。納付が期限に遅れると延滞税がかかり、令和8年中の割合は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、その後は年9.1%です。前期の確定申告をe-Taxで出した法人には予定申告書の用紙と納付書が送られないため、e-Taxのメッセージボックスのお知らせで期限と金額を確かめます。

まとめ

法人税の中間申告は、事業年度が6か月を超え、前期の確定法人税額をもとに計算した金額が10万円を超える(前期12か月なら確定法人税額が20万円を超える)法人に必要で、期限は事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内です。3月決算法人は11月30日、9月決算法人は5月31日が原則の期限で、土日祝日や年末年始に当たると休日明けの日に延びます。予定申告が原則で、業績が下がった年は期限前に仮決算も検討できます。消費税と法人事業税・法人住民税の中間申告も、それぞれの基準で要否を確かめてください。

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市ひばりが丘)。昭和58年開業、平成18年に税理士法人として設立。ISO9001認証取得。元国税局OBを含む税理士4名が在籍し、税務・会計から給与計算までを担当しています。社会保険・労働保険の手続きはグループの社会保険労務士法人みらい、許認可は行政書士法人みらいが担当し、窓口をまとめてご相談いただけます。

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出典・参考

国税庁「予定(中間)申告書用紙の送付に係るお知らせ」「法人税予定申告分の納付書等の送付について」「防衛特別法人税が創設されました(令和7年5月、令和8年6月改訂)」、e-Tax「防衛特別法人税の創設に関するご案内・留意事項について」、国税庁 タックスアンサーNo.6609「中間申告の方法」、No.9205「延滞税について」、国税庁「消費税率引下げ特設サイト」、内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)、衆議院「議案審議経過情報」「第222回国会 議案の一覧」・参議院「議案情報」(第222回国会 閣法第1号「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」)、国税通則法基本通達(徴収部関係)第10条関係、東京都主税局「法人事業税・法人都民税Q&A」、内閣府「国民の祝日について」、e-Gov法令検索(法人税法第71条・第72条・第73条・第74条・第76条・第79条、地方法人税法第16条、消費税法第42条、国税通則法第10条・第60条、国税通則法施行令第2条、地方税法第53条・第72条の26・第321条の8)。本記事は2026年10月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。

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