中間申告・中間納付の実務(8/31期限)|12月決算法人の対応

目次

  1. 「8月末の中間申告」12月決算法人の悩み
  2. 中間申告・中間納付とは
  3. 中間申告が必要かの判定
  4. 予定申告と仮決算の使い分け
  5. 消費税の中間申告
  6. 8/31期限と納付
  7. 税理士に任せるメリットと費用
  8. よくある質問
  9. まとめ

12月決算法人の中間申告・中間納付の期限は、原則として毎年8月31日です(事業年度開始の日以後6か月を経過した7月1日から2か月以内)。前期の確定法人税額÷前期の月数×6が10万円を超える場合に必要です。2026年12月期の期限(2026年8月31日)は過ぎ、次は2027年12月期の2027年8月31日(火)です。

「12月決算の会社で、夏までに中間申告と納付が必要と言われたが、いくら払うのか・仮決算とどちらが得か分からない…」——12月決算法人の経営者からよくいただくご相談です。中間申告とは、事業年度が6か月を超える普通法人などが、事業年度の途中で法人税や消費税の一部をあらかじめ申告・納付する手続きのことです。12月決算法人は、事業年度開始の日以後6か月を経過した日(7月1日)から2か月以内が期限となるため、該当する場合の申告・納付期限は原則として8月31日です。本記事では、中間申告が必要かの判定から、予定申告と仮決算の使い分け、消費税の中間申告、8/31期限の納付実務までを税理士法人みらいが解説します。

「8月末の中間申告」12月決算法人の悩み

12月決算法人が8月末の中間申告を前に抱えがちな悩みには、次のようなものがあります。

  • そもそも自社に中間申告が必要なのか判断がつかない
  • 納付額がいくらになるのか、資金を用意できるか不安
  • 予定申告と仮決算のどちらを選ぶと有利か分からない
  • 今期は業績が落ちているのに前期基準で払うのは負担が大きい
  • 法人税だけでなく消費税の中間もあり、期限管理が煩雑

中間申告の要否判定や有利不利の試算にお悩みの方は、お気軽にご相談ください(税務相談は無料です)。

中間申告・中間納付とは

中間申告とは、事業年度が6か月を超える普通法人(清算中の法人などを除く)が、その事業年度開始の日以後6か月を経過した時点で、法人税等をあらかじめ申告・納付する制度です(法人税法第71条ほか)。年1回の確定申告時にまとめて納めるのではなく、あらかじめ半期分を前払いする仕組みで、国の税収の平準化と、法人側の納税資金の分散という意味合いがあります。

12月決算法人の場合、事業年度は1月1日から12月31日までです。事業年度開始の日以後6か月を経過した日は7月1日で、中間申告・中間納付の期限は、その日から2か月以内、すなわち原則として8月31日となります(期限が土曜日・日曜日・祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)などに当たるときは、休日明けの日。国税通則法第10条第2項、同法施行令第2条第2項)。中間納付した金額は、期末の確定申告で計算した年税額から差し引かれ、精算されます。

中間申告が必要かの判定

すべての法人に中間申告が必要なわけではありません。法人税の中間申告は、前事業年度の確定法人税額をもとに計算した金額が一定額を超える場合に必要になります。具体的には、前期の確定法人税額 ÷ 前期の月数 × 6 で計算した金額が10万円を超えるかどうかが目安です(この金額が10万円以下、または前事業年度が存在しない設立初年度などは、原則として中間申告は不要です)。

区分判定・中間納付税額の目安
予定申告の基準額前期の確定法人税額 ÷ 前期の月数 × 6
中間申告が必要な場合上記の金額が10万円を超えるとき
中間申告が不要な場合上記の金額が10万円以下、または設立初年度等
12月決算法人の期限6か月経過日(7月1日)から2か月以内→原則8月31日までに申告・納付

法人税の中間申告書を出す法人は、地方法人税の中間申告書もあわせて出します(地方法人税法第16条)。地方税(法人事業税・法人住民税)についても中間申告・納付が必要になるのが通常で、前事業年度に外形標準課税の法人として申告した法人などは、法人税の中間申告が不要でも法人事業税の中間申告が必要です(東京都主税局「法人事業税・法人都民税Q&A」)。防衛特別法人税の中間申告は令和9年4月1日以後に開始する事業年度からのため(国税庁「防衛特別法人税が創設されました」)、12月決算法人では、2027年12月期(2027年1月1日開始)の中間申告には含まれず、2028年1月1日から始まる事業年度の中間申告から加わります。判定や税額の見込みは、前期の申告書をもとに確認します。

予定申告と仮決算の使い分け

法人税の中間申告には、大きく2つの方法があります。「予定申告」は前期の法人税額をもとに機械的に計算した額(前期が12か月なら前期の半分)を納める簡便な方法、「仮決算」は上半期(開始から6か月)を1事業年度とみなして仮に決算を行い、実際の所得に基づいて税額を計算する方法です。

比較項目予定申告仮決算
計算方法前期確定税額÷前期の月数×6(前期が12か月なら半分)上半期で仮決算し実際の所得で計算
事務負担軽い(自動計算に近い)重い(決算・申告に近い作業)
向いているケース業績が前期並み・安定している今期の業績が前期より大きく悪化している
メリット手間・コストがかからない実態に合った税額で納付でき資金負担を抑えられる
注意点業績悪化時も前期基準で納付作業量が多く、追加費用が生じる場合がある

業績が前期と同程度であれば、手間のかからない予定申告が一般的です。一方、今期に入って売上が落ち込んでいる、大きな損失が出ているといった場合は、仮決算を選ぶことで中間納付額を実態に合わせて抑えられる可能性があります。ただし仮決算は決算に近い作業が必要になるため、中間で減らせる納付額と手間・費用を天秤にかけた判断が重要です。詳しくは法人税の中間納付の実務(予定申告と仮決算の使い分け)もあわせてご覧ください。

消費税の中間申告

消費税にも中間申告の制度があります。前年(前課税期間)の消費税額(国税部分の年税額)に応じて、中間申告の回数が変わります。

  • 48万円以下:中間申告は不要(届出により任意の中間申告も可能)
  • 48万円超400万円以下:年1回の中間申告
  • 400万円超4,800万円以下:年3回の中間申告
  • 4,800万円超:年11回の中間申告

上記の金額はいずれも国税分(地方消費税を含まない)の年税額です。各回の申告・納付期限は、原則として中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内です(年11回の法人の最初の1か月分は、課税期間開始の日から2か月を経過した日から2か月以内です。消費税の確定申告期限の延長の特例を受けている法人は、この扱いが異なります)。課税期間が暦年と一致する12月決算法人で年1回の場合は原則8月31日が期限となります。

消費税の中間申告も、前年実績による方法のほか、仮決算による方法を選ぶことができます(仮決算で税額がマイナスになっても還付は受けられません。国税庁 タックスアンサーNo.6609)。法人税と消費税で期限や回数が異なるため、12月決算法人では複数の納付スケジュールを並行して管理する必要があります。法人の中間申告(予定申告)の仕組みと納付管理も参考にしてください。

なお、国税庁のNo.6609には、令和9年4月1日からの2年間の飲食料品の消費税率の引下げにあわせて、中間申告の計算方法の特例が設けられると書かれています。この引下げは、令和8年9月15日に閣議決定された「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」で示された改正案で、飲食料品の消費税率を1%(国・地方合計)にするものです。案では、令和9年4月1日以後に開始する中間申告対象期間について、直前の課税期間の飲食料品の売上げ・仕入れに引下げ後の税率を当てはめた税額で中間申告ができる特例を設けることが示されています。12月決算法人の2027年12月期では、年1回の中間申告(1月〜6月分)は4月1日より前に始まる期間のため対象にならず、年3回・年11回の法人の4月以後の分が対象になりえます。この内容を盛り込んだ法律案は令和8年10月9日に国会へ提出され、10月19日時点では衆議院で審議中で、まだ成立していません。成立して内容が確定するまでは、国税庁の「消費税率引下げ特設サイト」で最新の情報を確かめてください。

8/31期限と納付

12月決算法人の法人税の中間申告・中間納付期限は、事業年度開始の日以後6か月を経過した日(7月1日)から2か月以内、原則として8月31日です。実務の流れは次のとおりです。

  1. 前期の確定申告書をもとに、予定申告の基準額(前期確定税額÷前期月数×6)を算定し、中間申告の要否を判定
  2. 予定申告か仮決算かを選択(業績悪化時は仮決算を検討)
  3. 法人税・地方法人税・地方税(法人事業税・法人住民税)・消費税の中間申告書を作成
  4. 8月31日までに(消費税は回数に応じた各回の期限までに)、e-Tax・eLTAX、金融機関窓口、ダイレクト納付等で納付

予定申告書・納付書が届かない法人があります。前期の法人税の確定申告をe-Taxで提出した法人には、法人税の予定申告書の用紙は送付されず、e-Taxのメッセージボックスに「法人税予定申告のお知らせ」が届きます。令和6年5月以降は、e-Taxで確定申告を提出した法人、e-Taxによる申告が義務化されている法人、ダイレクト納付など納付書を使わない方法で納付している法人には、法人税の予定申告分の納付書も事前に送付されていません。前期の確定申告をe-Taxで提出した法人には、12月決算法人なら期限の月である8月の上旬に、申告・納税に必要な情報がメッセージボックスに届きます。一方、消費税の中間申告書兼納付書は、e-Taxによる申告が義務化されている法人を除いて引き続き送付されるため、消費税の納付書は届いても法人税の納付書は届かない場合があります。納付書が必要な場合は、所轄の税務署に連絡します(国税庁「予定(中間)申告書用紙の送付に係るお知らせ」「法人税予定申告分の納付書等の送付について」)。

納期限を過ぎると延滞税の対象になりますので、資金繰りとあわせて早めの準備が大切です。中間納付した金額は、期末の確定申告で年税額から差し引き、引ききれない分は還付されます(法人税法第74条・第79条)。2026年12月期の確定申告の期限は、原則として2027年3月1日(月)です(2月28日が日曜日のため。申告期限の延長の特例を受けている法人を除きます)。決算月ごとの期限の一覧は法人の中間申告は必要?いつまで?決算月別の期限と判定基準で整理しています。

税理士に任せるメリットと費用

中間申告は、要否判定・方法の選択・複数税目の期限管理が絡みます。次のような場合は、期限の前に税理士へ相談しておくと判断がしやすくなります。

税理士に相談したほうがよい場合

  • 今期(1月〜6月)の業績が前期より大きく下がり、仮決算で減る中間納付額と作業の手間を比べたい
  • 前期にe-Taxで申告していて、8月上旬に届くメッセージボックスのお知らせの確認と納付の担当が決まっていない
  • 消費税の中間申告が年3回・年11回になり、法人税と合わせた納付の時期と資金の管理が複雑になってきた
  • 前期が12か月に満たない、合併があったなど、予定申告の金額の計算が通常と違う

税理士法人みらいでは、顧問・決算業務の中で、前期実績の確認から中間申告の要否の判定と期限の管理、予定申告と仮決算のどちらにするかの判断、法人税・地方法人税・地方税・消費税の中間申告書の作成までを担当します。西東京市(ひばりが丘・保谷・田無)・東久留米市・練馬区など近隣の法人の方のご相談をお受けしています。

料金は、顧問契約の内容や仮決算にするかどうかによって変わるため、内容をうかがってご案内します(新設法人の顧問料・決算報酬はサービス案内の「新設法人の顧問料等報酬料金表」に掲載しています。税務相談は無料です)。決算と申告だけのご依頼との違いは決算だけ税理士に頼める?依頼できる範囲と、年1回の依頼で気をつけること、年間の納税予測を含めた対策は決算対策はいつから始める?節税と納税予測のための準備もご覧ください。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

よくある質問

Q. 中間申告はすべての法人に必要ですか?

A. すべての法人に必要なわけではありません。前期確定法人税額をもとに計算した金額(前期確定税額÷前期月数×6)が10万円を超える場合に必要で、10万円以下の場合や設立初年度(適格合併による設立を除く)などは、原則として不要です。12月決算法人で該当する場合、期限は6か月経過日(7月1日)から2か月以内、原則8月31日です。2027年12月期の期限は2027年8月31日(火)です。判定に迷う場合は無料相談でご確認ください。

Q. 予定申告と仮決算はどちらが得ですか?

A. 業績によって異なります。前期並みの業績なら手間のかからない予定申告が一般的ですが、今期の業績が前期より大きく悪化している場合は、仮決算により中間で納める額を抑えられる可能性があります。年間の税額は確定申告で精算されるため総額が減るわけではありませんが、資金繰りの負担を軽くできます。仮決算は作業量が増えるため、中間で減らせる納付額と手間・費用を踏まえて判断します。当事務所で試算のうえご提案します。

Q. 費用はいくらかかりますか?

A. 中間申告の料金は、顧問契約の内容や仮決算にするかどうかによって変わるため、内容をうかがってご案内します。仮決算による中間申告は、決算に近い作業が発生します。新設法人の顧問料・決算報酬は「新設法人の顧問料等報酬料金表」に掲載しており、税務相談は無料です。

まとめ

12月決算法人は、事業年度開始の日以後6か月を経過した日(7月1日)から2か月以内、該当する場合は原則8月31日までに法人税・地方法人税・地方税の中間申告と中間納付が必要です。消費税は前期の消費税額で回数と期限が決まり、年1回なら同じ8月31日です。次の期限は2027年12月期の2027年8月31日(火)です。まずは前期確定税額をもとに要否を判定し、予定申告と仮決算のどちらが有利かを見極めることが重要です。業績が前期より悪化している場合は仮決算で中間納付額を抑えられることもあります。前期にe-Taxで申告した法人には予定申告書や納付書が届かないため、8月上旬のメッセージボックスのお知らせを確かめます。中間申告の判定や有利不利の試算、期限管理にお困りの方は、税理士法人みらいの無料相談をご活用ください。

参考にした一次情報(出典)

  • e-Gov法令検索:法人税法第71条・第72条・第73条・第74条・第79条、地方法人税法第16条、消費税法第42条、国税通則法第10条、国税通則法施行令第2条
  • 国税庁「予定(中間)申告書用紙の送付に係るお知らせ」「法人税予定申告分の納付書等の送付について」
  • 国税庁「防衛特別法人税が創設されました(令和7年5月、令和8年6月改訂)」、国税庁 タックスアンサーNo.6609「中間申告の方法」
  • 国税庁「消費税率引下げ特設サイト」「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて」(リーフレット)「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(問3-8)(「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」(令和8年9月15日閣議決定)で示された改正案の説明資料)
  • 衆議院「議案審議経過情報」・参議院「議案情報」(第222回国会 閣法第1号「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案」)
  • 東京都主税局「法人事業税・法人都民税Q&A」、内閣府「国民の祝日について」(いずれも2026年10月時点)

実務の現場から:当事務所には、中間申告や納付額について「予定申告と仮決算のどちらが得か」というご相談が多く寄せられます。業績の変動が大きい期ほど、事前の試算が効果を発揮します。

ご注意(免責事項):本記事は2026年10月時点の法令および公的機関の公表資料にもとづく一般的な解説です。税制・社会保険制度は改正されることがあり、同じ制度でも個別の事情によって取扱いが変わります。実際のご判断にあたっては、税理士など専門家にご相談ください。本記事の情報にもとづく判断により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。

税理士法人みらい(東京都西東京市ひばりが丘)。昭和58年開業、平成18年に税理士法人として設立。ISO9001認証取得。元国税局OBを含む税理士4名が在籍し、税務・会計から給与計算までを担当しています。社会保険・労働保険の手続きはグループの社会保険労務士法人みらい、許認可は行政書士法人みらいが担当し、窓口をまとめてご相談いただけます。〒202-0002 東京都西東京市ひばりが丘北3-4-1 みらいビル2F/TEL 042-422-7440(平日9:00〜18:00)/税理士法人番号 第1218号

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市)。昭和58年開業、平成18年法人化。ISO9001認証取得。元国税局OB税理士を含む税理士が在籍し、法人・個人の税務会計・中間申告・決算対策をワンストップでサポートしています。

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