9月決算法人の決算実務|期末までの最終確認と申告スケジュール

目次

  1. 期末日までに確認したいこと
  2. 決算日以降のスケジュール
  3. 申告期限の延長という選択肢
  4. 決算後にやること
  5. よくある質問
  6. まとめ

9月決算法人の決算実務とは、9月30日の期末日に向けた最終確認と、その後2か月以内に行う決算・申告の一連の作業です。法人税の申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内のため、9月30日決算なら11月30日が期限となります。期末日を過ぎるとできることは限られるため、9月中の確認が重要です。

【令和8年度税制改正】中小企業者等の少額減価償却資産の特例について、取得価額の基準を30万円未満から40万円未満に引き上げる方針が示されています(適用期限も延長)。適用開始時期は今後の法令等で確定するため、実際のご判断にあたっては国税庁・中小企業庁の最新の公表内容をご確認いただくか、当事務所までお問い合わせください。

期末日までに確認したいこと

決算日を過ぎてからでは動かせない項目があります。9月中に次を確認します。

  • 売上の計上時期:出荷基準・検収基準など採用している基準を継続適用しているか。期末前後の取引の納品書・検収書を揃える
  • 棚卸の準備:実地棚卸の日程と担当者を決める。預け在庫・未着品・貯蔵品の洗い出し
  • 不要な固定資産:使わなくなった資産を期末までに除却すれば除却損を計上できる。廃棄の事実がわかる書類を残す
  • 回収不能な債権:貸倒れの要件に該当するか確認する
  • 決算賞与:支給する場合は期末までに各人別に通知が必要

詳しくは棚卸と在庫評価の実務もご参照ください。

決算日以降のスケジュール

時期作業
10月上旬実地棚卸の集計、売掛金・買掛金の残高確認、経費の未払計上
10月中旬減価償却費の計算、決算整理仕訳、試算表の確定
10月下旬決算書の作成、税額計算、納税額の確定
11月上旬株主総会の準備、決算書の承認
11月30日法人税・地方税・消費税の申告と納付

納付は申告期限と同じ日までに行う必要があります。納税資金の準備を逆算して進めてください。

申告期限の延長という選択肢

定款の定めなどにより、事業年度終了の日から2か月以内に株主総会が招集されない常況にある場合、「申告期限の延長の特例の申請書」を提出することで、法人税の申告期限を1か月延長できます(法人税法第75条の2)。

ただし注意点があります。

  • 納付期限は延長されません。延長期間には利子税がかかります
  • 実務上は、申告期限までに見込納付を行うことで利子税の負担を抑えます
  • 消費税の申告期限は別です。消費税の確定申告期限を1か月延長するには、別途「消費税申告期限延長届出書」の提出が必要です

申請書は、適用を受けようとする事業年度終了の日までに提出する必要があります。9月決算法人であれば9月30日までです。

決算後にやること

  • 納税資金の確保:法人税・地方税・消費税を合わせた金額を把握しておく
  • 中間申告の見込み:前期の確定法人税額が20万円を超えると、翌期に中間申告が必要になります
  • 役員報酬の改定時期:定期同額給与の改定は事業年度開始の日から3か月以内。9月決算なら12月末までです(役員報酬の決め方
  • 決算書の活用:金融機関への説明資料になるため、内容を把握しておく

決算は終わらせるものではなく、翌期の経営判断の材料です。着地実績を翌期の予算と資金繰り計画に反映させましょう。

よくある質問

Q. 9月決算法人の申告期限はいつですか?

A. 原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内、9月30日決算であれば11月30日が法人税・地方税・消費税の申告・納付期限です。2026年11月30日は月曜日のため、通常どおりの期限となります。

Q. 申告期限を延長できますか?

A. 定款の定めなどにより2か月以内に株主総会が招集されない常況にある場合、申請により法人税の申告期限を1か月延長できます。ただし納付期限は延長されず、延長期間には利子税がかかるため、実務では見込納付を行います。申請書は適用を受けようとする事業年度終了の日までに提出が必要で、消費税は別途届出が必要です。

Q. 期末間際でもできる決算対策はありますか?

A. 限られますが、事業上必要な30万円未満の少額減価償却資産の取得(中小企業者等の特例)、不要な固定資産の除却、決算賞与の各人別通知などは期末日までであれば可能です。ただし決算賞与は事業年度終了の日の翌日から1か月以内の支払いなど要件があります。決算日を過ぎるとほとんど手は残らないため、本来は2〜3か月前からの準備が理想です。

まとめ

9月決算法人は、期末日までに売上の計上時期・棚卸の準備・不要資産の除却・決算賞与の通知を確認し、その後11月30日の申告期限に向けて決算作業を進めます。申告期限の延長制度はありますが納付期限は延長されず、消費税は別途届出が必要です。

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市ひばりが丘)。昭和58年開業、平成18年法人化。ISO9001認証取得。元国税局OBを含む税理士4名と税務・会計スタッフを合わせた総勢17名の体制で、法人の決算・申告業務、決算対策と納税予測、書面添付制度を活用した申告をサポートしています。

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出典・参考

国税庁「法人税のあらまし」「申告期限の延長の特例の申請」、e-Gov法令検索(法人税法第74条・第75条の2)/e-Gov法令検索。本記事は2026年9月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。

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