確定申告を税理士に頼む費用は、一律ではありません。帳簿をどこまでご自身でつけるか、取引の量、所得の種類(事業・不動産・譲渡など)、消費税の申告が必要か、青色申告か白色申告かによって作業量が変わり、それに応じて決まります。税理士法人みらいでは、内容をうかがったうえで料金をご案内しています。
費用を左右する5つの要素
確定申告の費用は、主に次の5つの要素で決まる作業量によって変わります。同じ「個人事業主の確定申告」でも、記帳の状態と所得の組み合わせで作業量は大きく異なります。
| 要素 | 作業量が増えやすい例 |
|---|---|
| 記帳を誰がするか | 領収書や通帳から帳簿づくりを任せる。会計ソフトに入力済みでも、科目の誤りが多い |
| 取引の量 | 売上・経費の件数が多い。事業用の口座やクレジットカードが複数ある |
| 所得の種類 | 事業所得と不動産所得がある。不動産や株式の売却(譲渡所得)が重なる |
| 消費税の申告の有無 | 課税事業者で、所得税とは別に消費税の確定申告も必要 |
| 青色申告か白色申告か | 青色申告で複式簿記の帳簿から貸借対照表・損益計算書を作る |
逆にいえば、帳簿をご自身でつけて資料をそろえていただくほど、税理士の作業は申告書の作成と確認に絞られます。どこまでをご自身で行い、どこからを任せるかを決めておくと、見積りの比較もしやすくなります。
見積りの前に用意すると話が早いもの
見積りの前に、前年の申告書の控えと、所得の種類ごとの資料をそろえておくと、作業量を具体的に判断できます。
- 前年分の確定申告書の控え(青色申告決算書・収支内訳書を含む)
- 帳簿や会計ソフトのデータ、事業用の通帳、クレジットカードの明細、領収書・請求書
- 不動産所得がある方:賃貸借契約書、管理会社からの収支報告、固定資産税の課税明細書、借入金の返済予定表
- 不動産や株式を売った方:売買契約書、取得したときの契約書や取得費の資料、仲介手数料などの領収書
- 消費税の状況:課税事業者かどうか、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録の有無、簡易課税の届出の有無
- 青色申告承認申請書の控え(提出していれば)
税理士に頼んだほうがよいケース
事業所得や不動産所得がある方、相続や財産の売却があった年の方は、計算と特例の判断が増えるため、税理士への依頼を検討する価値があります。一方、給与所得に医療費控除などを加えるだけの申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使ってご自身で作成しやすいケースです。
| ケース | 判断が必要になる主な点 |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランス(事業所得) | 必要経費の範囲、青色申告特別控除の要件、消費税の申告の要否 |
| 不動産所得がある | 建物の減価償却、借入金利子の扱い、事業として営む規模か(青色申告特別控除の額に影響) |
| 相続があった年 | 亡くなった方の準確定申告、引き継いだ事業や賃貸の申告、相続した財産の売却 |
| 不動産や株式を売った年 | 取得費・譲渡費用の計算、使える特例の選択 |
| 会社員で副業がある | 給与を1か所から受けていて給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要(給与の収入が2,000万円を超える方なども申告が必要) |
副業の所得区分や申告の要否は副業所得の税務、不動産所得の計算は不動産所得の確定申告で解説しています。
令和8年分の申告期間と期限
令和8年分の所得税の確定申告期間は、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。個人事業者の消費税の確定申告は、翌年3月31日が期限です。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 所得税の確定申告(令和8年分) | 2027年2月16日(火)〜3月15日(月) |
| 個人事業者の消費税の確定申告(令和8年分) | 2027年3月31日(水) |
| 令和9年分から青色申告をする場合の承認申請書 | 2027年3月15日(月)(その年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内) |
| 亡くなった方の準確定申告 | 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内 |
期限を過ぎた申告は期限後申告となり、税務署の調査の事前通知を受ける前に自主的に申告した場合でも、原則として納める税額の5%の無申告加算税がかかります(期限から1か月以内に申告し、期限までに全額を納付しているなど一定の場合を除きます)。延滞税もあわせて納める必要があります。誤りに気づいたときの修正申告と更正の請求は確定申告の誤りに気づいたらで解説しています。
青色申告特別控除(65万円)の要件
令和8年分の65万円の青色申告特別控除は、55万円控除の要件を満たしたうえで、e-Taxで申告するか、仕訳帳と総勘定元帳を一定の要件で電子帳簿保存していることが要件です。
| 控除額(令和8年分) | 主な要件 |
|---|---|
| 55万円 | 不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表・損益計算書などを添付した確定申告書を期限内に提出 |
| 65万円 | 55万円の要件に加え、e-Taxで申告書・貸借対照表・損益計算書等を期限内に送信するか、仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿の要件で保存(届出書の提出が必要な場合あり) |
| 10万円 | 上記に当たらない青色申告者 |
期限後に申告すると、55万円・65万円の控除は受けられません(還付申告であっても期限内の提出が必要です)。また、令和9年分以後は控除額と要件が見直され、複式簿記とe-Taxによる申告を前提に65万円、さらに一定の要件を満たす電子帳簿で75万円となります。詳しくは青色申告特別控除が75万円へで解説しています。
相続した年に気をつけること
相続があった年は、亡くなった方の準確定申告と、相続人ご自身の申告を分けて考えます。亡くなった方の分は4か月以内、相続人ご自身の分は通常どおり翌年の確定申告期間に申告します。
1.亡くなった方の準確定申告
亡くなった方に確定申告が必要な所得があった場合は、その年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をします。医療費控除の対象になるのは死亡の日までに本人が支払った医療費で、亡くなった後に相続人が支払った医療費は含められません。
2.事業や賃貸を引き継いで青色申告を続ける場合
引き継いだ事業や賃貸の所得について相続人が青色申告をするには、相続人ご自身が青色申告承認申請書を提出します。期限は亡くなった方が青色申告者だったかどうか、亡くなった日によって変わります。
| 区分 | 相続人の青色申告承認申請書の提出期限 |
|---|---|
| 亡くなった方が白色申告者(その年の1月16日以後に業務を承継) | 業務を承継した日から2か月以内 |
| 亡くなった方が青色申告者で、死亡の日が1月1日〜8月31日 | 死亡の日から4か月以内 |
| 同じく、死亡の日が9月1日〜10月31日 | その年の12月31日 |
| 同じく、死亡の日が11月1日〜12月31日 | 翌年2月15日 |
3.相続した財産を売った場合(取得費加算の特例)
相続や遺贈で取得した土地・建物・株式などを一定期間内に売った場合、その財産を取得した人に相続税が課税されていれば、相続税額のうち一定の金額を譲渡した財産の取得費に加えることができます。要件は、(1)相続や遺贈で財産を取得した人であること、(2)その人に相続税が課税されていること、(3)相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ったこと、の三つです。適用を受けるには、計算明細書などを添えて確定申告をします。なお、実家の空き家を売ったときの3,000万円の特別控除とは重ねて使えないため、どちらが有利かを比べて選びます(空き家の3,000万円特別控除の要件)。
税務相談は無料。ご依頼は早めに
税理士法人みらいでは、税務相談を無料でお受けしています。初回相談も無料です。確定申告の時期が近づくと資料の確認や記帳に使える時間が限られるため、ご依頼を検討される場合は、年が明ける前のご相談をおすすめします。個人の確定申告の料金は、記帳の状況や所得の種類などの内容をうかがってご案内します。
よくある質問
Q. 確定申告を税理士に頼むと、費用はいくらですか?
A. 記帳をどこまでご自身でされるか、取引の量、所得の種類、消費税の申告が必要か、青色申告か白色申告かによって作業量が変わるため、一律の金額はありません。税理士法人みらいでは、内容をうかがったうえで料金をご案内しています。税務相談は無料です。
Q. 令和8年分の確定申告の期限はいつですか?
A. 所得税の確定申告期間は2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。個人事業者の消費税の確定申告は2027年3月31日(水)が期限です。期限を過ぎると期限後申告となり、無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。
Q. 親が亡くなった年は、どんな申告が必要になりますか?
A. 亡くなった方に確定申告が必要な所得があった場合は、その年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が準確定申告をします。期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。相続人ご自身についても、相続した財産を売った場合は譲渡所得の申告が必要になる場合があり、相続税がかかった方は一定期間内の売却で相続税額の一部を取得費に加算できる特例があります。
Q. 青色申告特別控除の65万円を受ける要件は何ですか?
A. 令和8年分は、不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付した確定申告書を期限内に提出することに加え、e-Taxで提出するか、仕訳帳と総勘定元帳を一定の要件で電子帳簿保存していることが要件です。令和9年分以後は控除額と要件が見直されます。
まとめ
確定申告を税理士に頼む費用は、記帳を誰がするか、取引の量、所得の種類、消費税の申告の有無、青色か白色かで決まる作業量によって変わります。前年の申告書の控えと所得ごとの資料をそろえると、見積りが具体的になります。令和8年分の申告期間は2027年2月16日〜3月15日、個人事業者の消費税は3月31日が期限です。相続があった年は、亡くなった方の準確定申告(4か月以内)、引き継いだ事業の青色申告の承認申請、相続財産を売ったときの取得費加算の特例を確認してください。
国税庁タックスアンサー「給与所得者で確定申告が必要な人」(コード1900)、No.2024「確定申告を忘れたとき」、No.2022「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」、No.2070「青色申告制度」、No.2072「青色申告特別控除」、No.3267「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」、No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、No.6601「申告と納税」、国税庁リーフレット「簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ」(令和8年4月)、国税庁「令和8年度税制改正の大綱(抄)」。本記事は2026年10月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。
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