税務調査の連絡が来たら|最初にやることと税理士の役割・費用

目次

  1. 連絡が来たら、最初の24時間でやること
  2. 事前通知で伝えられること
  3. 顧問税理士がいない場合の頼み方
  4. 書面添付と意見聴取
  5. 調査後の流れと加算税
  6. 当事務所の対応と費用
  7. よくある質問
  8. まとめ

税務署から税務調査の連絡が来たら、最初にすることは三つです。通知された調査の日時・場所・税目・対象期間を書き留めること、顧問税理士(いなければ依頼する税理士)に連絡すること、日程に無理があれば合理的な理由を添えて変更を相談することです。調査には応じる必要がありますが、準備の時間を確保し、税理士の立会いのもとで臨むことができます。

連絡が来たら、最初の24時間でやること

連絡を受けたその日のうちに、通知の内容を記録し、税理士に連絡し、帳簿と申告書の控えの所在を確かめます。慌てて書類を作り直したり処分したりしないことが大切です。

  1. 通知の内容を書き留める:事前通知は原則として電話で口頭により行われ、通知内容を書いた書面は納税者の求めに応じて交付されるものではありません。日時・場所・税目・対象期間・担当者の氏名と所属をメモします。
  2. 税理士に連絡する:顧問税理士がいればすぐに連絡します。いなければ、調査日までに依頼する税理士を探します(後述)。
  3. 日程を確かめる:通知された日時に無理があれば、合理的な理由を添えて変更を求め、協議することができます(国税通則法第74条の9第2項)。国税庁は、一時的な入院、親族の葬儀、業務上やむを得ない事情などを例に挙げており、申出は口頭でかまいません。
  4. 帳簿・証憑・申告書の控えの所在を確かめる:対象期間の総勘定元帳、請求書・領収書、通帳、契約書などがどこにあるかを確認します。会計ソフトのデータであれば、画面で示せる状態にしておきます。
  5. 書類を作り直さない:偽りの記載をした帳簿書類を提示・提出した場合などには、法律に罰則の定めがあります。誤りに気づいた点は、手を加えずに税理士に伝えて対応を相談します。

調査の流れの全体像(事前通知から結果の通知まで)は税務調査の流れと適切な対応方法で解説しています。この記事では、連絡を受けた直後にすることと、税理士に頼む場合の手続き・費用に絞って説明します。

事前通知で伝えられること

実地の調査では、原則として、調査を開始する日時・場所、調査の目的、対象となる税目・期間などが、納税者と税務代理人の双方に事前に通知されます(国税通則法第74条の9)。

通知される主な事項確認しておくこと
調査を開始する日時・場所都合がつくか、税理士が立ち会えるか
調査の目的申告内容の確認など、何のための調査か
調査の対象となる税目・期間法人税・消費税・源泉所得税など、どの税目の何年分か
調査の対象となる帳簿書類その他の物件用意しておく帳簿や書類の範囲
調査の相手方の氏名・住所、調査を行う職員の氏名・所属官署連絡先と担当者

事前通知が調査の何日前に行われるかについて、法令上の定めはありません。国税庁は、調査開始日までに準備ができるよう相当の時間的余裕を置いて通知するとしています。また、通知された期間の申告内容を確かめるために必要があれば、それ以前の年度の帳簿の提示を求められることがあり、通知された事項以外にも誤りが疑われる場合には、説明のうえで調査の対象が追加されることがあります。なお、事前通知をすると正確な事実の把握が困難になるおそれがあるなどと認められる場合には、事前通知なしに調査が行われることもあります。

顧問税理士がいない場合の頼み方

調査の日までに税理士に依頼し、その税理士が「税務代理権限証書」(税理士法第30条)を税務署に提出すれば、税理士が代理人として調査に立ち会い、意見を述べることができます。税務代理などの税理士業務を行うことができるのは、原則として税理士(税理士法人を含みます)に限られています。

手順内容
1.相談する通知の内容(日時・税目・対象期間)と、対象期間の申告書の控えを用意して税理士に相談する
2.委任する依頼する範囲(税目・年分)を決めて委任し、税理士が税務代理権限証書を税務署に提出する
3.連絡の窓口を決める税務代理権限証書に「事前通知に関する同意」を記載すると、以後の事前通知(調査通知)は税理士に対して行えば足りることになる。「調査の終了の際の手続に関する同意」を記載すると、調査結果の説明も税理士に対して行われる
4.準備をする税理士が帳簿と申告書を確認し、説明が必要になりそうな取引を事前に整理する

調査の場で納税者に代わって主張・陳述をすることは税務代理に当たるため、記帳を手伝っている方など税理士以外の第三者は、原則として代理人として立ち会うことはできません(日頃の記帳担当者が、調査担当者が必要と認めた範囲で同席することはあります)。調査を機に税理士の変更を考える場合の進め方は税理士を変えたいと思ったらも参考にしてください。

書面添付と意見聴取

税理士が申告書に「計算事項等を記載した書面」(税理士法第33条の2)を添付している場合、税務署は納税者に調査の日時・場所を通知する前に、その税理士に書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければなりません(税理士法第35条第1項)。

  • 連絡の時期:意見聴取を行う場合、税務署から税理士へ、調査通知予定日の1〜2週間前までに日時・方法を決めるための連絡があります。
  • 結果:意見聴取で疑問点が解消し、調査の必要がないと認められれば、調査に至らないこともあります。ただし、調査の省略を前提とした制度ではありません。
  • 修正申告との関係:意見聴取での質疑だけをきっかけに、調査通知の前に修正申告をした場合は、加算税はかかりません。
  • 行われない場合:事前通知を行わずに実施する調査では、調査通知前の意見聴取は行われません。

書面添付は申告のときに行うものなので、すでに調査の連絡が来た申告には間に合いません。次の申告から検討する制度です。詳しくは書面添付制度とはで解説しています。

調査後の流れと加算税

調査の結果、誤りがなければ「更正決定等をすべきと認められない」旨の書面が届きます。誤りがあれば、内容(誤りの内容・金額・理由)の説明を受けて修正申告(または期限後申告)を勧められ、応じなければ税務署長が更正・決定を行います。

調査の結果その後
誤りが認められないその旨が書面で通知される
誤りがあり、修正申告をする修正申告をした内容について再調査の請求や審査請求はできないが、更正の請求はできる
誤りがあり、修正申告をしない税務署長が更正・決定を行う。不服があれば、通知を受けた日の翌日から3か月以内に再調査の請求か審査請求ができる

修正申告や更正によって税額が増えると、加算税と延滞税がかかります。加算税の割合は、修正申告をした時期によって変わります。

加算税調査の通知前に自主的に申告調査の通知後、更正等を予知する前調査による更正等を予知した後・更正等
過少申告加算税(期限内申告があった場合)かからない5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)10%(同じく超える部分は15%)
無申告加算税(期限内申告がなかった場合)5%10%(50万円超300万円以下の部分は15%、300万円超の部分は25%)15%(同じく20%、30%)

事実を隠したり仮装したりしていた部分には、過少申告加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%の重加算税がかかります。また、2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについて、調査で帳簿の提示・提出を求められた際に提示等をしなかった場合や、帳簿への売上の記載が不十分だった場合は、その程度に応じて加算税が5%または10%加重されます(所得税・法人税・消費税)。更正・決定ができる期間は、原則として法定申告期限から5年、偽りその他不正の行為があった場合は7年です。修正申告と更正の請求の基本は確定申告の誤りに気づいたらで解説しています。

当事務所の対応と費用

税理士法人みらいには、元国税局OBの税理士が在籍しています。税務調査の立会いの費用は、税目・対象期間・帳簿の状況などの内容をうかがってご案内します。

業務料金
税務調査の立会い内容をうかがってご案内します
書面添付の作成(法人税)150,000円〜(現地調査あり)
官庁からのお尋ね書類対応簡易的なものは無料
税務相談無料

書面添付の作成、官庁からのお尋ね書類対応、税務相談の料金は、当事務所の「新設法人の顧問料等報酬料金表」(その他の業務)に掲載しています。顧問税理士がいない方、調査の連絡を受けたばかりの方も、まずは初回相談(無料)で通知の内容をお聞かせください。日頃の帳簿づくりで調査に備える方法は税務調査に備える日常の帳簿管理で紹介しています。

よくある質問

Q. 税務調査の日程は変更してもらえますか?

A. 合理的な理由があれば、調査を開始する日時や場所の変更を求めて協議することができます(国税通則法第74条の9第2項)。国税庁は、一時的な入院、親族の葬儀、業務上やむを得ない事情などを例に挙げています。申出は口頭でかまいません。

Q. 顧問税理士がいなくても、税理士に立ち会ってもらえますか?

A. はい。調査の前に税理士に依頼し、その税理士が税務代理権限証書(税理士法第30条)を税務署に提出すれば、代理人として調査に立ち会い、意見を述べることができます。納税者の代わりに主張・陳述を行うことは税務代理に当たるため、記帳を手伝っている方など税理士以外の第三者は、原則として代理人として立ち会うことはできません。

Q. 調査の前に申告の誤りに気づいたら、どうすればよいですか?

A. 税務署から調査の通知を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。通知を受けた後でも、調査によって更正があることを予知する前の修正申告であれば、過少申告加算税は5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)に軽減されます。いずれの場合も延滞税はかかるため、税理士と相談して早めに対応してください。

Q. 税理士に税務調査の立会いを頼むと、費用はいくらですか?

A. 税理士法人みらいでは、税務調査の立会いの費用は、税目や対象期間、帳簿の状況などの内容をうかがってご案内します。「新設法人の顧問料等報酬料金表」のその他の業務には、書面添付の作成(法人税)150,000円〜(現地調査あり)、税務相談は無料と掲載しています。

まとめ

税務調査の連絡が来たら、通知された日時・場所・税目・対象期間を書き留め、税理士に連絡し、日程に無理があれば合理的な理由を添えて変更を相談します。顧問税理士がいなくても、依頼した税理士が税務代理権限証書を提出すれば、調査に立ち会って意見を述べることができます。調査の通知前の自主的な修正申告なら過少申告加算税はかからず、通知後でも更正等を予知する前なら軽減されます。書面添付は次の申告から、調査の通知前の意見聴取につながる制度です。

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市ひばりが丘)。昭和58年開業、平成18年に税理士法人として設立。ISO9001認証取得。元国税局OBを含む税理士4名が在籍し、グループの社会保険労務士法人みらい・行政書士法人みらいと連携して、税務・会計から給与計算、社会保険・許認可の手続きまでご相談をお受けしています。

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出典・参考

国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」、国税庁「税務手続について~近年の国税通則法等の改正も踏まえて~」、国税庁「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」、国税庁「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達 第4章」、国税庁「税理士制度のQ&A 4 書面添付・意見聴取制度」、国税庁「H2-1 税務代理の権限の明示」「H2-3 計算事項等を記載した書面の添付」、国税庁タックスアンサー No.2026「確定申告を間違えたとき」、No.2024「確定申告を忘れたとき」、No.9205「延滞税について」、国税庁「帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」、財務省「加算税制度の概要」「更正・決定の除斥期間、更正の請求期間」。本記事は2026年10月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。

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