税理士を変えやすいのは、決算・申告が終わった直後(申告書を提出した翌月以降)です。1年分の帳簿と申告書がそろった状態で引き継げます。新しい事業年度の最初から新しい税理士に任せたい場合は、決算月の2〜3か月前までに依頼先を決めておくと、今の契約の解約や資料の準備に余裕を持てます。
引き継ぎやすい時期と、避けたい時期
一般に、引き継ぎやすいのは申告書を提出した後で、避けたいのは決算月の直前から申告期限までです。期の途中でも変えられますが、新しい税理士が期首からの記帳を確認し直す手間が増えます。
| 時期 | 引き継ぎやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 申告書を提出した翌月以降 | 引き継ぎやすい | 1事業年度分の帳簿・決算書・申告書がそろっている |
| 新しい事業年度の開始時 | 引き継ぎやすい | 記帳を最初から新しい税理士の方法で始められる。終わった期の決算・申告をどちらが担当するかは取り決めが必要 |
| 期の途中 | 可能だが手間が増える | 期首からの記帳内容を新しい税理士が確認し直す |
| 決算月の直前〜申告期限 | 避けたい | 期中の経緯を確認する時間が限られ、申告期限が迫る |
新しい期の最初から任せる場合は、決算月の2〜3か月前までに依頼先を決め、終わる期の決算・申告を今の税理士と新しい税理士のどちらが行うかを両方と取り決めます。今の契約に解約の予告期間がある場合も、この時期から動けば間に合わせやすくなります。
決算月別の早見表
法人税の確定申告の期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です(申告期限の延長の特例を受けている法人は、延長された期限)。月末決算なら、決算月の2か月後の月末が期限になります。
| 決算月 | 申告期限(原則) | 引き継ぎやすい時期 | 新しい期の最初から任せる場合に決めておきたい時期 |
|---|---|---|---|
| 3月 | 5月31日 | 6月以降 | 前年12月〜1月ごろ |
| 6月 | 8月31日 | 9月以降 | 3月〜4月ごろ |
| 9月 | 11月30日 | 12月以降 | 6月〜7月ごろ |
| 12月 | 翌年2月末日 | 翌年3月以降 | 9月〜10月ごろ |
| 個人事業主(12月31日締め) | 翌年3月15日(令和8年分は2027年3月15日) | 翌年4月以降 | 9月〜10月ごろ |
期限が土曜日・日曜日・祝日等にあたる場合は、その翌日が期限です。10月は、12月決算の法人と個人事業主が来年からの依頼先を決める時期にあたります。9月決算の法人は、11月30日の申告が終わった12月以降が引き継ぎやすい時期です。
乗り換えの手順
乗り換えは、新しい税理士を先に決めてから今の税理士に伝える順番で進めると、担当者がいない期間をつくらずに済みます。
- 新しい税理士に相談し、見積りを受ける:決算月、記帳の方法、今の契約の状況を伝えます
- 今の契約書の解約条項を確認する:予告期間、中途解約したときの報酬、資料の返却方法
- 担当の範囲を決める:終わる期の決算・申告をどちらが行うか、いつから新しい税理士が記帳を担当するか
- 今の税理士に解約を伝え、資料の返却を受ける:下の資料一覧で漏れを確認します
- 新しい税理士が税務代理権限証書を提出し、引き継いだ資料を確認する
変更の理由の伝え方や、変える前に確認したいことは税理士を変えたいと思ったら|引き継ぎの流れと失敗しない進め方で解説しています。
引き継ぎで用意する資料
引き継ぎで特に大切なのは、過去の申告書と、税務署などに出した届出書の控えです。どの制度を選んでいるかが分からないと、新しい税理士は次の申告を組み立てられません。
| 資料 | 新しい税理士が確認すること |
|---|---|
| 過去の申告書・決算書・勘定科目内訳明細書(法人税・消費税・地方税) | 前期からの数字のつながり、繰越欠損金、中間申告の要否 |
| 総勘定元帳・会計ソフトのデータ | 期首の残高、勘定科目の使い方 |
| 税務署・都税事務所・市役所に出した届出書の控え(青色申告の承認申請、消費税の簡易課税・課税事業者の選択、インボイスの登録、源泉所得税の納期の特例、申告期限の延長の特例など) | どの制度を選択しているか、いつから適用されているか |
| e-Taxの利用者識別番号 | 電子申告を続けるための情報 |
| 固定資産台帳・償却資産の明細(償却資産申告書の控え) | 減価償却と、固定資産税(償却資産)の申告 |
| 給与・源泉所得税の資料(源泉徴収簿、年末調整・法定調書の控え) | 給与計算と年末調整の引き継ぎ |
| 税務調査を受けたことがある場合はその記録 | 過去の指摘事項 |
税理士がe-Taxで代理送信する場合は、税理士等の電子署名のみで送信でき、納税者本人の電子署名は省略できます(国税庁 e-Tax)。預けている領収書や契約書などの原本も、返却を受ける時期を決めておきます。
税務代理権限証書(税理士法第30条)
税理士が税務代理をするときは、その権限を有することを証する書面(税務代理権限証書)を税務署などに提出します(税理士法第30条)。提出時期は随時で、e-Taxでも書面でも提出できます。税務代理(申告や税務調査などで税務署に対して代理すること)は、税理士法第2条に定める税理士業務の一つで、税務代理権限証書はその権限を示す書面です。
当事務所は、税理士法第33条の2の書面添付制度に対応しています。制度の内容は書面添付制度とはをご覧ください。
前の税理士との契約の終わらせ方
契約の終わらせ方は、今の契約書の解約条項に従うのが基本です。次の点を確認し、書面やメールで残しておくと行き違いを防げます。
- 解約の予告期間:何か月前までに伝える必要があるか
- 報酬の精算:月額報酬と決算報酬を、どの月・どの期の分まで支払うか
- 資料・データの返却:返却の方法と時期、会計データの形式
- 会計ソフトの契約名義:税理士事務所の名義で使っている場合のデータの移し方
- 担当の範囲:終わる期の決算・申告をどちらが行うか
乗り換え後に、新しい税理士と確認する期限
年の途中で税理士を変えると、毎年決まった時期に来る手続きの担当が抜けやすくなります。引き継ぎのときに、次の期限をどちらが担当するかを確認しておきます。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 源泉所得税の納付(原則) | 給与を支払った月の翌月10日 |
| 源泉所得税の納付(納期の特例の承認を受けている場合) | 1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日 |
| 源泉徴収票の交付、法定調書合計表・給与支払報告書の提出 | 原則1月31日(2027年は1月31日が日曜日のため2月1日) |
| 固定資産税(償却資産)の申告 | 1月1日現在所有している資産を、原則としてその年の1月31日まで |
| 法人税の中間申告(前期の実績で計算した税額が10万円以下なら不要) | 事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内 |
| 法人税の確定申告 | 原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内 |
年末調整の時期に担当が替わる場合は、従業員から集める申告書の回収や、源泉徴収票の作成をどちらが行うかも決めておきます。年末調整の書類の確認点は年末調整の申告書はどう変わった?で解説しています。
税理士法人みらいへのご依頼の流れと料金
- お問い合わせ:お電話(042-422-7440、9:00〜18:00、土日祝休)またはお問い合わせフォーム
- 初回相談(無料):決算月、売上の規模、記帳の方法、今の契約の状況をうかがいます
- お見積り:既存の法人の顧問料は、売上や仕訳件数、記帳の方法をうかがってご案内します
- ご契約・税務代理権限証書の提出
- 資料の受け取りと確認:引き継いだ申告書・届出書の控えを確認し、月次・決算に入ります
サービス案内に掲載している「新設法人の顧問料等報酬料金表」は新設法人向けの料金表で、既存の法人の顧問料表ではありません。初回相談は無料です。顧問料の決まり方は税理士の顧問料の相場と選び方でも解説しています。
当事務所には元国税局OBを含む税理士4名が在籍し、ISO9001認証を取得しています。給与計算に伴う社会保険の手続きはグループの社会保険労務士法人みらいが、許認可は行政書士法人みらいが担当します。
よくある質問
Q. 決算の直前でも税理士を変えられますか?
A. 変えることはできますが、新しい税理士が期中の経緯を確認する時間が限られ、申告期限も迫ります。決算の直前に変える場合は、終わる期の決算・申告を今の税理士と新しい税理士のどちらが担当するかを先に取り決めてください。一般には、申告書を提出した翌月以降のほうが引き継ぎやすくなります。
Q. 引き継ぎのとき、税務署への手続きは必要ですか?
A. 新しい税理士が税務代理をする場合は、税理士法第30条にもとづく税務代理権限証書を税務署などに提出します。会社が過去に提出した届出書(青色申告の承認申請、消費税の各種届出など)は、控えを新しい税理士に渡して内容を確認してもらいます。
Q. 個人事業主が税理士を変えるなら、いつがよいですか?
A. 確定申告が終わった4月以降が引き継ぎやすい時期です。その年の分の確定申告から新しい税理士に任せたい場合は、10月ごろまでに決めておくと、年内の記帳の確認や確定申告の準備に余裕が持てます。令和8年分の確定申告期間は2027年2月16日から3月15日です。
Q. 税理士法人みらいの顧問料はいくらですか?
A. 既存の法人の顧問料は、売上や仕訳件数、記帳の方法をうかがってご案内します。サービス案内に掲載している新設法人の顧問料等報酬料金表は、新設法人向けの料金表です。初回相談は無料です。
まとめ
税理士を変えやすいのは、決算・申告が終わった直後(申告書を提出した翌月以降)です。新しい期の最初から任せたい場合は、決算月の2〜3か月前までに依頼先を決め、終わる期の決算・申告の担当を取り決めます。引き継ぎでは過去の申告書と届出書の控えが特に大切で、新しい税理士は税務代理権限証書を提出します。12月決算の法人と個人事業主にとって、10月は来年からの依頼先を決める時期です。
国税庁「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請」「税務代理の権限の明示」「税理士制度のQ&A(2 税理士の業務)」「No.2020 確定申告」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請」「法人税のあらましと申告の手引」、東京都主税局「固定資産税(償却資産)」、e-Tax「e-Taxで申告等データを送信する際の電子署名等の一部省略について」。本記事は2026年10月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。
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