税理士と社労士の違い|何をどちらに頼むか、まとめて相談する方法

目次

  1. 税理士の業務(税理士法第2条)
  2. 社労士の業務(社会保険労務士法第2条・第27条)
  3. 行政書士・司法書士・弁護士との分担
  4. 場面別の早見表
  5. まとめて頼むメリット
  6. みらいグループの窓口
  7. よくある質問
  8. まとめ

税理士と社会保険労務士(社労士)の違いは、扱う法律と手続きです。税理士は税金の申告や税務書類の作成、税務相談を、社労士は健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などの手続きと労務管理を担います。給与計算のように両方にまたがる業務もあるため、税金のことは税理士、保険と労働の手続きは社労士と分けて考えると整理しやすくなります。

税理士の業務(税理士法第2条)

税理士の独占業務は、税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つです。税理士または税理士法人でない者は、原則としてこれらを業として行うことはできず(税理士法第52条)、ここでいう「業とする」は反復継続して行うことで、有償かどうかは問われません(国税庁「税理士制度のQ&A」)。

業務内容具体例
税務代理申告や、税務調査・処分に関する主張・陳述を代理する申告書の提出、税務調査の立会い
税務書類の作成税務署などに提出する申告書等を作成する法人税・消費税・所得税・相続税の申告書、源泉徴収票などの法定調書
税務相談申告や申告書の作成に関し、税額の計算について具体的な相談に応じる税額の試算、税務上の取扱いの判断
付随業務(第2条第2項)税理士業務に付随して、財務書類の作成や記帳の代行を行う決算書の作成、記帳代行

付随業務の財務書類の作成や記帳の代行は、税理士の独占業務ではありませんが、税理士業務とあわせて行われることが多いため、税理士の名称を用いて行えることが法律で明確にされています。税務調査の立会いのように、税務署とのやり取りを代理できるのも税理士の役割です。当事務所は書面添付制度(税理士法第33条の2)にも対応しています(書面添付制度とは)。

社労士の業務(社会保険労務士法第2条・第27条)

社労士の業務の中心は、労働・社会保険に関する法令(労働社会保険諸法令)にもとづく申請書等の作成と、その提出の代行です。社会保険労務士または社会保険労務士法人でない者は、原則として、他人の求めに応じ報酬を得て、これらの事務を業として行うことはできません(社会保険労務士法第27条)。

業務内容具体例
申請書等の作成(第2条第1項第1号)労働社会保険諸法令にもとづき、行政機関等に提出する申請書・届出書・報告書などを作成する社会保険・雇用保険の資格取得・喪失の届出、算定基礎届
提出の代行(第2条第1項第1号の2)申請書等の提出手続きを代わって行う年金事務所・ハローワークなどへの提出
労務管理の相談・指導労務管理や労働・社会保険に関する相談に応じる就業規則・労使協定の見直し

全国社会保険労務士会連合会は、社労士が支援できる業務として、労働保険の年度更新、社会保険の算定、入社・退職・出産・介護・病気・けがの際の社会保険・労働保険の手続き、給与計算、就業規則や労使協定(36協定)の作成・見直しを挙げています。雇用関係の助成金についても、東京労働局は、社会保険労務士・弁護士以外の者が報酬を得て申請手続きを行うことは法違反となる場合があると案内しています。

当事務所では、社会保険・労働保険の手続きはグループの社会保険労務士法人みらいが担当します。

行政書士・司法書士・弁護士との分担

許認可など官公署に出す書類は行政書士、会社や不動産の登記は司法書士、相手方との交渉や紛争は弁護士の業務です。

士業主な業務根拠
行政書士官公署に提出する書類(許認可の申請など)や権利義務・事実証明に関する書類の作成、提出手続きの代理行政書士法第1条の3・第1条の4・第19条
司法書士登記・供託の手続きの代理、法務局などに提出する書類の作成司法書士法(法務省「司法書士の業務」)
弁護士法律事件に関する法律事務(交渉・紛争の代理など)弁護士法第3条・第72条

行政書士は、他の法律で業務が制限されているものは行えないとされています(総務省「行政書士制度」)。たとえば、介護保険法にもとづく申請・届出の書類作成や届出について、名古屋市の手引きは、業として行えるのは原則として社会保険労務士であると案内しています。同じ「役所に出す書類」でも、根拠となる法律によって担当する士業が変わる点に注意が必要です。

場面別の早見表

会社の一年で発生する主な手続きを、どの士業の業務かで分けると次のとおりです。給与計算は、全国社会保険労務士会連合会が社労士の支援できる業務として挙げる一方、当事務所のように税理士事務所が源泉所得税・年末調整と一体で引き受けることもある業務で、当グループでは税理士法人みらいと社会保険労務士法人みらいの両方が業務として掲げています。

場面税理士(税理士法人みらい)社労士(社会保険労務士法人みらい)そのほか
会社設立法人設立届出書・青色申告の承認申請書などの税務の届出社会保険の新規適用、労働保険の加入手続き設立登記は司法書士
従業員の採用扶養控除等(異動)申告書の受理と源泉徴収の設定社会保険・雇用保険の資格取得の手続き―
毎月の給与計算給与計算、源泉所得税の納付書の作成給与計算(業務として掲げています)―
賞与の支給賞与の源泉所得税の計算賞与にかかる社会保険の届出―
年末調整年税額の計算、源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書の作成――
算定基礎届・月額変更届決まった保険料を給与計算に反映届出書の作成・提出―
労働保険の年度更新―申告書の作成・提出―
退職源泉徴収票の作成(交付は会社が退職の日以後1か月以内に)、退職所得の源泉徴収社会保険・雇用保険の資格喪失の手続き―
雇用関係の助成金受け取った助成金の会計処理申請書類の作成・提出代行―
就業規則・労使協定―作成・見直し―
許認可の申請―根拠法令によっては社労士(介護保険法など)行政書士
決算・税務申告決算書の作成、法人税・消費税などの申告――
税務調査調査の立会い、税務代理――
相続相続税の申告―相続登記は司法書士、遺産分割の争いは弁護士

会社設立時の税務の届出には期限があり、たとえば法人設立届出書は法人設立の日以後2か月以内、給与支払事務所等の開設届出書は給与支払事務所等を設けてから1か月以内です(国税庁「法人税のあらまし」、国税庁「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」)。退職者への源泉徴収票の交付は、退職の日以後1か月以内に行います(国税庁タックスアンサーNo.7411)。設立の流れは会社設立の費用と、設立1期目の税理士費用の目安、毎月の給与計算の分担は給与計算は外注すべき?、年末調整の分担は年末調整は誰に頼む?でも解説しています。

まとめて頼むメリット

いちばんのメリットは、給与のデータを一か所で管理できることです。同じ給与の金額が、源泉所得税、社会保険の算定基礎届、労働保険の年度更新、年末調整と給与支払報告書に使われるため、窓口が分かれていると、同じ情報を何度も伝え、数字の食い違いを確かめる手間が生じます。

  • 入退社・昇給・扶養の変更の連絡が一度で済む
  • 社会保険料の改定(定時決定は9月分から)を給与計算に反映する時期がずれにくい
  • 年末調整と、社会保険・労働保険の賃金の集計を同じデータから作れる
  • どちらの業務かを会社が判断しなくても、一つの窓口に相談できる

ただし、窓口をまとめても、税理士法人と社会保険労務士法人はそれぞれ別の法人で、業務の範囲はそれぞれの法律で決まっています。マイナンバーを含む情報を委託する会社には、委託先を監督する義務があります(番号法第11条)。どの法人がどの情報を扱うのかを確認しておくことが大切です。

みらいグループの窓口

税理士法人みらいにご相談いただければ、税務・会計・給与計算・年末調整は当事務所が、社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士法人みらいが、許認可は行政書士法人みらいが担当します。相続のご相談は相続サポートセンターでもお受けしています。

窓口主な業務
税理士法人みらい記帳・決算・税務申告、給与計算、年末調整、税務調査の立会い、税務相談
社会保険労務士法人みらい社会保険・労働保険の手続き、就業規則の作成、給与計算、助成金の申請
行政書士法人みらい許認可の申請など、官公署に提出する書類の作成と手続き
相続サポートセンター相続の相談窓口

税理士法人みらいは、東京都西東京市ひばりが丘北3-4-1 みらいビル2F(西武池袋線「ひばりヶ丘駅」北口徒歩1分)にあり、業務時間は9:00〜18:00(土日祝休)です。西東京市・東久留米市・練馬区・新座市・小平市など近隣の法人・個人事業主の方からのご相談をお受けしています。税務相談は無料で、料金はサービス案内の料金表に掲載しています。

よくある質問

Q. 給与計算は税理士と社労士のどちらに頼むべきですか?

A. 給与計算は、全国社会保険労務士会連合会が社労士の支援できる業務として挙げているほか、当事務所のように税理士事務所が源泉所得税・年末調整と一体で引き受けることもあります。当グループでは、給与計算と年末調整は税理士法人みらい、社会保険の手続きは社会保険労務士法人みらいが担当し、窓口をまとめてご相談いただけます。

Q. 社会保険の手続きを税理士に頼むことはできますか?

A. 社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出の代行は社会保険労務士の業務で、社会保険労務士または社会保険労務士法人でない者は、原則として、他人の求めに応じ報酬を得て業として行うことはできません(社会保険労務士法第27条)。当事務所では、手続きはグループの社会保険労務士法人みらいが担当します。

Q. 雇用関係の助成金の申請は誰に頼めばよいですか?

A. 東京労働局は、社会保険労務士・弁護士以外の者が報酬を得て助成金の申請手続きを行うことは法違反となる場合があると案内しています。当グループでは申請を社会保険労務士法人みらいが担当し、受け取った助成金の会計処理は税理士法人みらいが担当します。

Q. 税理士と社労士を別々の事務所にしていても問題ありませんか?

A. 問題はありません。ただし、給与のデータが両方の事務所に必要になるため、入退社や昇給の連絡を二重に行う手間や、数字の食い違いを確かめる手間が生じます。マイナンバーを含む情報を委託する場合は、それぞれの委託先を監督する義務がある点にも注意してください。

まとめ

税理士は税務代理・税務書類の作成・税務相談を、社労士は労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成と提出の代行を担います。許認可は行政書士、登記は司法書士、紛争や交渉は弁護士の業務です。給与計算は両方にまたがるため、税金は税理士、保険と労働の手続きは社労士と分け、同じ給与データを共有できる体制にしておくと手間と食い違いを減らせます。当グループでは、窓口をまとめてご相談いただけます。

この記事の執筆者

税理士法人みらい(東京都西東京市ひばりが丘)。昭和58年開業、平成18年に税理士法人として設立。ISO9001認証取得。元国税局OBを含む税理士4名が在籍し、税務・会計から給与計算までを担当しています。社会保険・労働保険の手続きはグループの社会保険労務士法人みらい、許認可は行政書士法人みらいが担当し、窓口をまとめてご相談いただけます。

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出典・参考

国税庁「税理士制度のQ&A」(税理士の業務、税理士法違反行為)、東京労働局「雇用関係助成金を申請される事業主等の皆様へ」(社会保険労務士法第2条・第27条の抜粋)、全国社会保険労務士会連合会「労働社会保険手続業務」、総務省「行政書士制度」、法務省「司法書士の業務」、名古屋市「介護保険事業者指定申請の手引き」(令和8年8月17日版)、国税庁「法人税のあらまし」、国税庁 タックスアンサーNo.7411「「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」、個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」。本記事は2026年10月時点で公表されている法令等にもとづく一般的な解説です。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取扱いが異なります。実際のご判断にあたっては最新の公表内容をご確認いただくか、税理士にご相談ください。本記事の情報にもとづく行為により生じた損害について、当事務所は責任を負いかねます。

税理士法人みらい(税理士法人番号 第1218号)/〒202-0002 東京都西東京市ひばりが丘北3-4-1 みらいビル2F/TEL 042-422-7440/ISO9001認証取得・書面添付制度対応

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