武田秀和先生の研修会を終えて。

 今回は、弊社の顧問税理士である武田秀和先生にお越し頂き、税務署にお勤めされていた時の経験についての実務的なお話をお聞きする事ができました。
 武田先生は約30年間、国税にて資産税を専門としてやられており、今現在は弊社も利用しているミロク情報サービスという税務会計ソフト開発会社の税務研究員としてご活躍の場を広げられています。本日は貴重な時間を割いていただいたので、研修会での武田先生のお話を幾つかこの場を借りて簡単にご紹介させていただきます。
 冒頭は確定申告期の税務署についてのお話からでした。この時期は税務署も納税者の数で溢れていると言う事、またそれだけ混雑すると納税者の方からのクレームが非常に増え、その対応に奔走される毎日だという事。
この時期辛いのは納税者のみならず税務署サイドも苦労されている事を面白おかしくお話ししていただきました。また弊社としても納税者のかたのみならず税務署サイドの事も念頭に皆様のお手伝いをしていかなければならないと感じた次第であります。
 そんな話しを織り交ぜつつ話しは贈与税、譲渡所得税に関する武田先生の経験談、ポイントなどへと移ります。贈与・譲渡所得税は不動産取引など金額が大きくなるものが多いのでお客様にアドバイスする時は特に一言一言を気をつけなければならないと言う事を再認識しました。また特にこういった資産税などは実態判断が大事だと言う事を教えていただきました。そのお話しの中で面白かったお話の一例をあげさせていただきます。
 1. 孫やお子様が何人もいらっしゃる方が相続対策などで各人に基礎控除額(110万円)くらいの贈与税の申告書を何年かに渡って提出している人のお話。
これは贈与を受けた本人にその認識がなく(名義は相続人にはなっているがその通帳の管理を被相続人が行っていたり、被相続人の死亡後にその通帳の存在を知る等)取引に実態がないとされてしまい、その分を相続財産とみなされ課税されてしまった実例。
これは例え各個人の名義の預金を作ってそこに金額を振り込んでいて毎年贈与の申告をし納税していたとしてもそれは取引に実態がないとされた例のお話しでした。
 2. 年に数回はあるらしいのですが、同じ人の贈与税の申告書が税務署に2通届くといった一例。基本的に贈与税の申告書は贈与された人が一年間に贈与された財産全てを1通の申告書に記載し申告しなければなりません。しかしよくあるのが嫁ぎ先の親と実の親がそれぞれ贈与の申告をしてしまうケースです。
当然これは贈与を受けた本人に申告義務があるのに贈与者が申告書を提出しその事すら贈与された人に知らされていないケースです。子供かわいさに生前贈与をし贈与を受ける本人に確認しないで行うとこういった事が起こるそうです。このへんは会計事務所としても申告書を提出する際に確認が必要なところであるかと思います。
 3. 高額な不動産や株を贈与された方のお話。贈与税は金銭一時納付が原則です。
株や不動産を贈与されても原則的にはお金で贈与税を払う必要があります。ここで受贈者に資金力がなかった場合、贈与者が贈与税を負担してしまうケースがあるらしいです。こうなってしまうと高額な贈与税についても本来の負担者である受贈者にその税負担分を贈与したとみなされてしまい、贈与税額に対しても贈与税額が発生してしまいます。対策としては、不動産や株と一緒に贈与税相当額の金銭も一緒に贈与するのがいいと言う事です。
自分達のお客様との密な連携をとり適切なアドバイスをする為には勿論自分達のレベルアップが必要であります。より良い仕事をする為にはお客様との間の確認が大切であり、更には自分達の発する言葉には大きな責任がある事など大事な事を再認識する事もできました。
本日は確定申告の時期で何かとお忙しい中弊社の為にお時間と貴重な教えをいただき本当にありがとうございます。機会があればまた様々な事を教えていただきたく思います。またこれを読む皆様も次回の武田先生の研修には是非ご参加をお願いします。
本日は本当にありがとうございました。

職員一同