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税理士並河の税界よもやま話⑮

 今年の三月決算上場企業の株主総会のピークは6月26日(金)の876社(集中率49%)となりましたが、今回はその株主総会について述べてみたい。
          ★会社は誰のものか?
 法人税法では古くから法人擬制説(法人は株主の集合体と考える)と法人実在説(法人を独立固有の存在と考える)の二つの哲学論争がありますが、会社法上では「株式」は「支配の単位」であり、株式会社の最高議決機関である株主総会の決議は人数ではなく、株式数に応じて決まるところから、会社は株主のものといえます。
 しかし米国における一昨年のサブプライムローン問題、昨年9月のリーマンショックそして今年になってからのクライスラー、GMの破綻等の一連の流れを見ていると、経済学の教科書の想定外のことが起こっており、混乱を呈しています。
 再建するGMの株主構成に政府が60%、労組17%とか、クライスラーは労組55%と聞くと米国での「株主資本主義」がどうなるのかという懸念と、一方ドイツなど欧州大陸の「ステークホルダー(利害関係者)資本主義」なる考えが勢いづいているようです。
 会社は株主のものと言ったところで上場企業の多くの株主は配当金と株価の値上がり以外に関心はなく、会社の発展にどれほど貢献しているかは疑問があるところです。
 定時株主総会の招集通知によって会議の目的は大きく①事業年度の事業報告、決算報告及び②剰余金処分、定款の一部変更、取締役の選任、同退任と慰労金、株式の買収防衛策等の決議事項に分けられます。
 私が後学のためと思って以前出席した三つの株主総会の模様を紹介します。
          ★株主総会三様三態
 (1)山一證券の最後の株主総会(平10.6.26)
 平成9年は東海興業、ヤオハン、東食、三洋証券、拓銀といった上場企業が相次いで倒産した大変な年でした。
 私は11月に山一證券株は大丈夫と思って買ったところ、1週間後に自主廃業という聞きなれない形の倒産になり、株券が一瞬に紙クズと化した。
 その半年後に山一から株主総会の通知が届いたので株券は高い総会入場料と考え、有給休暇を出して出席することにした。
 総会の議長は「山一の社員が悪いわけではありません。」とテレビで涙の会見をした野澤社長でしたが、当日株数が集まらなかったため総会の定足数に足りず、何一つ決議のできない異常な総会となった。
 従って長野元証券局長が山一の違法な「飛ばし」に対して下した処分的意味あいの自主廃業という倒産についての決議もできず、後になってから東京地裁から破産宣告を受けて当初とは異なる形の倒産とになりました。
 当日出席した株主は株で財産を失った腹いせに会社経営陣をつるし上げて非難を繰り返すものの会社の存続、再建のメドが立たないことも承知しているので、埒があかず空しく4時間50分という時間が経過してしまった。
 百年を超える名門山一の最後の総会である告別式がこのように収拾のつかない形で行われたことは先達や関係者の霊?も成仏できないのではと思わざるを得なかった。
 (2)信越化学の株主総会(平18.6.29)
 半導体ウエハーや塩ビで世界のトップを走る同社の経営はきわめて順調で、議長を務めた金川社長(1926年生まれ)は老いて益々盛んといった感じを受けた。
 好業績の会社の株主総会ほど楽なものはなく、一時間弱のシャンシャン総会で終わり、出席した株主は資生堂の石鹸をお土産にもらい、満足気に帰路についた。
 (3)三越の株主総会(平19.5.22)
 デパート業界は近年構造不況に陥り、老舗の三越も業績がジリ貧続きであるため、株主からは多くの叱責を受け、議長の石塚社長は終始低姿勢でした。
 株主からの厳しい意見の極めつけは「今の経営陣は落第生だ!伊勢丹から社長を連れて来い!」という辛らつで屈辱的なものでした。
 総会が終わって二ヵ月後に新聞で{三越、伊勢丹資本提携から経営統合へ}というニュースを見た時、株主総会の発言を聞いていただけに本当にビックリした。
 現在両社は「三越伊勢丹ホールディグス」という一つの会社になっていますが、デパート業界のドラステックな再編を見るにつけ、生き残りにかけたトップの苦渋の選択の結果であったことは想像に難くない。
 この3社の株主総会には企業の栄枯盛衰が現れており、現在の不透明、不安定なグローバル経済の中で経営のトップは過去の成功体験に寄りかかることなく柔軟な思考且つスピーデイな判断で舵取りを行い、未曾有の不況を乗り切っていただきたいと切に思う。

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