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あっぱれ!2題

あっぱれ!2題<H21.04.27 更新>
 大型連休ではじまった初夏の行楽シーズン、日照時間が長く 1年のうちで 1日を最も有効に活用できる絶好の時期となりました。その上「上限 1,000円で乗り放題」となった高速道路料金や全世帯に支給されはじめた「定額給付金」もあって、全国の観光地などは例年になく活況となると期待しているようです。こうした時期に題材としてはふさわしくないかも知れませんが二つの交通事故、とはいってもいずれも大惨事を未然に防いだ事例についてであります。
 今年 1月、アメリカ・ニューヨーク市のハドソン川に乗客、乗員 155人を乗せたエアバスA 320型が緊急着水しました。原因はエンジンが鳥を吸い込む「バードストライク」とみられ、機体の姿勢を維持したまま着水に成功し乗客、乗員全員が救助されました。機体の両翼に乗客たちが立ち並んで救助を待つ写真、映像が記憶にあると思います。空港を離陸して 5分後のことでしたが、付近は住宅地や高層ビルが林立する人口密集地のマンハッタンでありました。それだけにニューヨーク州知事は「ハドソン川の奇跡」と言って関係者をたたえ、操縦していた57歳のベテランパイロットには各方面から「瞬時に的確に判断し、すべての手順をこなした技量は見事だ」「判断を一歩間違えれば大惨事が起こった」「ハドソン川の英雄」などの賛辞が贈られたと報道されました。
 その 2か月後の 3月、東名高速道路でのことです。大阪発東京行きの乗客77人を乗せた 2階建て高速バス「青春メガドリーム号」が走行中に出火したため、近くの静岡県「牧之原サービスエリア」に緊急停車し乗客全員が無事に救助されたという事例です。全長15メートルの 2階建てバスは黒く焼けただれ、骨組みを残すばかりとなった写真、映像をおぼえていることと思います。このバスの運転手はバックミラー越しに後部エンジン付近から白煙が上がっていることに気づき、急遽「牧之原サービスエリア」に入り車内アナウンスで仮眠中の乗客を起こして避難させたのでした。
 この機転をきかしたバスの運転手、エアバス機の操縦士と同様に瞬時の判断で 1人の犠牲者も出さなかったのですが「牧之原の英雄」などといった賛辞はありませんで した。面白いことに、全国紙のうちでこの43歳の運転手の氏名を載せたのは 2紙だけ、 あとの 3紙は「男性運転手」としてあり、各紙とも運転手を称讃するような記事はなく「近くにサービスエリアがなければ大惨事になった」と報じたに留まりました。
 我が国のメディアは、単なる酔っぱらいの人気タレントに大騒ぎし連日活字や映像を流し続ける熱心さはあっても、プロ意識に徹して乗客77人全員を無事に避難させたあっぱれな運転手の顔写真や名前も報道しないのはなぜなのでしょうか。
税理士法人みらい
代表社員税理士 松尾 正

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