ローカルヒーロー

ローカルヒーロー<H21.07.28 更新>
 東京・台場の公園に高さ18メートル、実物大のガンダム像が一般に公開されました。
ガンダムは、今40歳前後の働き盛りの大人たちが30年前に見たSFアニメの主人公が乗るロボット状の兵器です。今回の登場は、東京都の都市緑化やオリンピック誘致などのPR役に起用されたのです。
 受け売りですが、全国の各地でテレビのヒーローにヒントを得たローカルヒーローが人気を集めています。秋田県では「超神ネイガー」、米作農家の青年アキタ・ケンが男鹿半島に伝わるなまはげの力を借りて変身します。「海を、山を、秋田を守る超神ネイガー」と見えを切って登場し、名物キリタンポが武器の「キリタン・ソード」、県魚ハタハタのたまごを撃ち出す「ブリコガン」、必殺技「比内鶏クラッシュ」を駆使して悪の組織「だじゃく組合」の怪人どもをやっつけるのです。「超神ネイガー」はこうしたショーを町内会のお祭り、スーパーの屋上、市役所の広場などで年に 200回以上演じ、県民を勇気づけているといいます。
 このヒーローを演じるのは、プロレスラーを目指して上京したもののケガで断念、秋田に戻って秋田らしさを取り入れたヒーローを立ち上げた40歳の男性です。「秋田はとかく暗い話題が多い、経済も低迷して駅前は寂しねど、わげもんは仕事求めて県外さ出てしまう、だども大切なふるさとだ、地域さ元気与えってがった」として「超神ネイガー」を誕生させました。ガンダムや仮面ライダー、タイガーマスクなどの一流のヒーローたちを地方に呼ぶのことはなかなかできませんが、「超神ネイガー」は気軽に呼べるヒーローとして県内狭しと駆け回っているそうです。
 郷里秋田の「超神ネイガー」のことが長くなりましたが、長野県下条村は「ローカルヒーローの聖地」と呼ばれており、全国からローカルヒーローを集めて大会を開催するほか、ここには「地域戦隊カッセイカマン」がいて村の催しや交通安全運動、保育園のお祭りなどで地域の不況原因などと戦うことをテーマとしたショーを演じているといいます。他に観光PRを目的とした三重県津市の「津に来て戦隊ツヨインジャー」、ごみ分別や環境問題をテーマとする東京・足立区の「環境戦隊ステレンジャー」など、「ローカルヒーロー大図鑑」 (水曜社) には70組以上が掲載されています。
 ローカルヒーローには「勧善懲悪」が根幹にあり、郷土を守るために不況や環境破壊といった今日的問題と戦い、勇気や愛を説く雄姿に大人も夢中にさせています。長く飽きられないためにはアイデアを出し続け、地方をもっともっと元気にして欲しいと思います。
税理士法人みらい
代表社員税理士 松尾 正