税理士並河の税界よもやま話【27】(H22.7.1)

★士師業さまざま

現在南アで行われているサッカーワールドカップは会場に鳴り響くブブゼラの音とともに佳境に入ってきましたが、日本国内では7月11日の参議院議員選挙投票日に向けた各党の街頭演説がヒートアップしてきました。
今回は6月4日に民主党の菅直人氏が第94代(14年ぶり非世襲内閣)の総理大臣に就任され、彼は弁理士の資格があることにちなみ、士業について述べてみたい。
弁理士は専門的技術分野である特許および知的財産である実用新案権、意匠権、商標権に関する登録等を業務とする国家資格者です。
「士」とつく資格職業には私共が行っている税理士業をはじめとして弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、社会保険労務士、不動産鑑定士、建築士、測量士、技術士etc多数あり、業際の区分も見分けにくいほど錯綜しています。
士業は別名サムライ業とも称されますが、士業に限らず専門性で「師」という名のつく資格もあるので合わせて「士師業」又は「師士業」とも呼ばれます。
士業が法律、会計、不動産、建築分野に多いのに対し、師業は医療、福祉の分野に多く見受けられます。
士業の第1番目に挙げられる「代議士」はこのところあまり評判がよろしくありません。
又、策士くらいはいいとして詐欺師、ペテン師の類は師がついてもいただけませんね。
社会的ニーズに合わせようと近年弁護士や公認会計士の合格者を大幅に増やしましたが、不況のせいもあって業界の受給バランスが崩れ、せっかく難関を突破して資格を取得しても就職難に陥り、制度の見直しを検討する声が上がっているようです。
さて法人等が士業の個人に報酬を支払う際は原則として10%の源泉所得税を控除して本人に支払う必要があります。
その際本人から自分で確定申告をするから源泉税を控除しないで欲しいといわれても、支払う側の法人等が源泉徴収義務者となっているので必ず天引きすることが必要です。
★納棺師(おくりびと)

師業といっても納棺師は国家資格ではありませんが、2008年秋に公開された映画「おくりびと」によってその特異な職業が一躍クローズアップされました。
映画では本木雅弘演じる主人公はチェロ奏者でしたが、所属する楽団が解散したため、郷里の山形県の酒田に帰ってきました。
そこで再就職のために見た新聞広告に「旅のお手伝い」とあったので旅行代理店と思い応募したところ、旅とはあの世への旅立ちであることがわかって困惑するが、山崎努扮する社長に口説かれ、納棺師としての仕事を意気に感じ全霊を打ち込むまでとなる感動的なドラマです。
最近私の身内に不幸があって納棺師の仕事振りを一部始終見る機会がありました。
派遣された納棺師は葬儀屋と提携している50歳前後の落ち着いた感じの女性でした。
本木雅弘の演技指導をしたのは彼女の後輩に当る人であることを聞いて、道理で映画のシーンと同じような作法、流れであったことに納得しました。
旅立ちの儀式は宗派によって異なるかもしれませんが、遺体をきれいに洗顔、化粧をして足袋をはかせ、脚絆手甲をつけ、頭陀袋に塩と六文銭を入れ、杖を持たせ、白装束を着せて仕上げていきました。
「いい死(日)旅立ち」が仕事とはいえ、納棺師(おくりびと)を含め多くの人のお蔭様でできたことが大変ありがたく思われました。
葬儀のあとは遺産分割という避けて通れない現実がありますが、「相続が争続」とならないように生前贈与、事業承継、遺言、相続税試算等のご相談は私ども税理士法人みらいがお手伝いいたしますので、気楽に声をかけてくださるようお願いいたします。