家相建築設計事務所様 連載⑬~家相の流儀・流派~(H24.8.28)


 
こんにちは、佐藤秀海です。
 
 
今回は浴室について説明します。
 
 
 家相学とは自然の理をベースに考えられた学問なので、シンプルに考えることができます。たとえば、水は高いところから低いところへ流れるので、自分の敷地を道路や隣家よりも低くすることを凶相とします。周囲の土地よりも低くなってしまうと、雨水やよくないものが流れ込んでしまうと考えるからです。
 
 
 また、水には滞ることによって腐敗してしまうという特性もあります。ですから、川の水には流れがあるので水は腐敗しません。しかし、その水をせき止めてしまうと、その時から腐敗が始まります。たとえば、ポリタンクに水を入れて通勤用の車のトランクなどに積んでおくと、なかなか腐りません。これは、ポリタンクが振動するので水が腐敗しにくいからなのです。
 
 
 家の中で大量の水を使う場所と言えば、浴室ですね。私もお風呂が大好きなので、夏でも湯船にお湯を張って毎日楽しんでいます。しかし、家相学上、浴室は不浄物の一つとして扱うので、方位には注意が必要です。
浴室を配置して凶相になる方位は、北東の表鬼門と南西の裏鬼門方位、家族の十二支方位と北西の乾方位・東南の巽方位、そして北の子方位にも設置できません。ただし、浴室すべてを避けるのではなく、浴槽の位置を避けると覚えてください。
そして、水は滞らせてはいけないので、入浴が終わったらすぐにお湯を落とし、窓を開けて換気扇をつけ、たまった湿気を室外に出してください。一晩そのままにしておくと水が腐敗して家族の健康や運勢にマイナスの影響があるからです。
 
 
 家相というと制約が多くて困るといった意見も聞きますが、浴室に関しては、一昔前よりもずいぶん制約が少なくなりました。昔の浴室は内釜で室内に火気があり、まず水を張ってからお湯を沸かすタイプが主流でした。つまり、昔の浴室は水まわりと火気の両方の方位に注意が必要だったわけです。また、ユニットバスなど便利なものがないころは、浴槽の洗い場のタイルの汚れやカビ、ぬめりを取るのも大変な作業で、衛生的にも問題がありました。しかし、今では、内釜は外壁に壁付けのコンパクトな給湯器になり、浴槽や洗い場も掃除がしやすく、いつまでもビショビショしていることもなくなりました。これだけでも、家相家にとっては本当にありがたいことです。
 
 
 最近では、浴室を二階などに設置するプランも増えています。大量の水を使う浴室は相当の荷重がかかりますが、最近の家は構造的にも丈夫で二階の浴室も十分に可能です。浴室からバルコニーに出られるタイプや坪庭を眺めるタイプ、また、眺めの良い場所に浴室を設けるなど、浴室はリラックスできる大切な空間でもあります。もちろん、二階でも方位には注意が必要ですが、ゆとりや憩いのスペースとして浴室にこだわることも大切です。とかくストレスの多い世の中なので、無難な方位の浴室でしっかりとリラックスしてほしいと思います。