家相建築設計事務所様 連載(38)~家相の流儀・流派~(H26.10.1)

皆様こんにちは、佐藤秀海です。
 
今回も昨年9月に発売された拙著「よくわかる家相と間取り」(エクスナレッジ)の中から、皆さんに参考にしてほしい部分を紹介いたします。
 
○家相のベースにある「陰陽五行説」を理解する
家相学の根底には、古代中国の春秋戦国時代に生まれたとされる「陰陽五行説」という考え方があります。先ず陰陽というのは、気学や四柱推命などすべての運命学の基礎になっているもので、世の中のすべてのものは陰と陽の二つに分けることができ、この陰と陽、つまり、マイナスとプラスがまじりあって一つの宇宙を構成しているという考え方です。
たとえば、昼と夜、男と女、太陽と月、火と水のように、地球上に存在する万物は二つの相反するものがセットになって成り立っているとされています。
 
また、「陰陽五行説」の五行というのは、陰と陽をさらに自然を構成する「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の五つの要素に振り分けたものです。これらは陰陽と同じく人間の運勢を決める運命学の基本となっており、「火」は才能や出世、「土」は家族運や仕事運をつかさどるなど、人間の運勢にも影響を与えるものとされています。
 
このように世界の要素をいくつかの種類に分ける考え方は、中国や日本だけのものではありません。インドのアーユルベータや古代マヤ文明にも同じような考え方があり、やはり、世界の構成要素をいくつかの物質に決めて成り立ちを説明しています。
 
この五つの要素はお互いに影響を与え合っていると考えられています。イラストにあるように、先ず隣り合っている要素は、お互いを助け合う相生関係にあります。火は木に助けられて、土を助ける。土は火に助けられて、金属を助ける。金属は土に助けられて、水を助ける。水は金属に助けられて、木を助ける……といった具合に、お互いになくてはならない関係にあるのです。
 
一方で、一つ離れたグルーブとは、良さを殺し合う相克関係にあります。たとえば、木は土の養分を奪ってしまいますし、火は金属を溶かしてしまいます。また、土は水分を吸収し、金属は木を切り倒してしまい、水も火を消してしまうように、お互いを滅ぼし合う(これを相克という)関係にあるのです。
 
このように、五行はお互いを助け合う要素と滅ぼし合う要素がぐるぐるとまわることで成り立っており、これが人と人との相性判断の基本にもなっています。
 
家相学は自然の理を説いた学問と説明してきましたが、この「陰陽五行説」も自然の理をベースにしています。
この理を住まいに当てはめ、住み心地の良い家を目指すのが家相の目的です。皆さんにもこの知恵をぜひ、活かしてほしいと思います。
 
家相1001.jpg