代表ブログ「つ ゆ ぞ ら」(2019年6月)

    梅雨前線は、日本付近の空気が冷たいオホーツク海高気圧から温かい太平洋高気圧に入れ替わる時期にできて、北海道を除く日本列島に停滞します。昨年は6月29日、気象庁は東京地方の梅雨明けを発表しました。平年より22日早く、前年より一週間早い梅雨明けでした。6月中に梅雨が明けるのは観測史上初めてのことで、これまでは平成13(2001)年の7月1日が最も早い梅雨明けと記録されていました。
  今年は5月中旬、沖縄、奄美地方を皮切りに梅雨入りが宣言されましたが、このところ日本列島に降る雨も吹く風も少々荒々しくなっています。5月18日鹿児島県屋久島町では、300ミリ近い降水量が観測され、土砂崩れが起き、観光名所の縄文杉に向かう登山口などに200人以上の観光客などが取り残されました。この雨について鹿児島気象台では、5月18日午後6時に屋久島南部で1時間に120ミリの猛烈な雨量が観測されたことから「記録的短時間大雨情報」、「50年に一度の記録的な大雨」と発表しました。県道の冠水、陥没や土砂崩れが発生したものの、幸いに登山口に取り残されていた200人以上の人たちは全員が無事だったのは何よりでした。
    東京には1年間に平均1560ミリの雨が降りますが、ヨーロッパなどの都市に比べると、ロンドンは611ミリ、パリが585ミリ、ウィーンが660ミリと東京の2分の1程度の降雨量となっています。しかし日本は気候が温暖で、四季の移り変わりがはっきりとした島国で、そこに住む日本人は繊細な情緒を持ち合わせています。梅雨のことを五月雨(さみだれ)と言い、五月晴れ(さつきばれ)とは、梅雨のまっただ中のつかの間の晴天のことで、6月の季語として俳句などに詠まれてきました。                 
 今年の5月下旬には、全国各地で30度を超える真夏日が4~6日も続きましたが、梅雨空の本格的な気配はありません。このまま夏の到来というようなことはありえませんが、♪我は海の子白波の さわぐいそべの松原に・・・と思わず夏の歌を口ずさんでしまいました。私たち年代では夏が来ると歌いだす唱歌ですが、最近はほとんど耳にすることがなくなりました。この「我は海の子」は、明治43(1910)年の小学校六年生用の唱歌に初めて出てきますが、作詞者・作曲者ともに不詳となっています。そして昭和22(1947)年には教科書から姿を消しています。なぜなのか昔の唱歌などには長いものも珍しくなく、「我は海の子」の七番の歌詞は「いで軍艦に乗り組みて 我は守らん海の国・・・」とあり、当時の時代背景から唱歌としてふさわしくないとして削除されたのでしょうか。

税理士法人みらい 代表社員
税理士 松 尾   正