言葉の移り変わり<H19.11.30 更新>
昔から「読み」「書き」「そろばん」と言って、どこの親も子どもの初等教育には熱心でした。もちろん、この「読み」「書き」は日本語です。最近では、全国の 9割以上の小学校で英語が教えられています。いわゆる「ゆとり教育」の一環として導入されたものですが、小学生から英語を教えることよりも、もっときちんとした日本語の教育をしていくべきだと思います。
話は飛びますが、国民的な国語辞典でもある「広辞苑」が10年ぶりの改訂を行うそうです。使用頻度、重要度、定着度合などから追加する候補をあげ、約 1万語が選定されました。「ニート」「ブログ」「着メロ」、若者言葉の「イケメン」「ラブラブ」 「うざい」などが新しく追加されるそうです。追加される中に「おしん」とありました。昭和58年 (1983年) のNHK朝ドラで、多くの人々に感銘を与え知らない人はいないほどなのに、何故に20年以上経った今ごろになって追加されるのか。このドラマは、現在までに世界の40か国以上で放送されてきたことが、その理由だそうです。それぞれの国でも評判となり、特にイランでは庶民に大きな影響を与え、日本人を見ると「おしん!」と言うほどだそうです。
ちょっと脱線しましたが、「広辞苑」では一度載せた語句は原則として除外することはなく、私の親の世代が使った「耐乏生活」や「鬼畜・・ (敵国名) 」はそのまま残されていきます。しかし「上高森遺跡」は、石器の捏造(ねつぞう)が分かったため削除されます。編集方針の一つに「記録のため」という理由で補充するものもあり、このところの昭和ブームを反映してか「赤バット、青バット」「真知子巻き」も加えられます。
最近の若者のケイタイから・・・「マジ?ヤバ!チゲェヨ、バーカ、アッソウ、ウン、ジャー。」・・・これで当人同士は自分の感じ考えを伝え、理解し合えるのでしょう。私たちが使う日本語は、美しく長い伝統を持っています。日々新しく生まれ変わっていくとは理解していても、こうした言葉もやがて国語辞典に採り入れられていくのでしょうか。せめて「ら抜き言葉」にとどめてほしいですね。おじさんは、とても追いつけません。
年末の多忙な時期、辞書でゆっくり言葉の意味を引いてみる時間はないと思いますが、改訂版の発行は来年 1月の予定だそうです。
今年も残り少なくなってまいりました。皆様どうかよいお年をお迎えください。
税理士法人みらい
代表社員税理士 松尾 正