予定納税<H19.06.01 更新>
「五月晴れ」とは、陰暦の 5月ごろに降り続く長雨、すなわち梅雨時の晴れた日のことを言っていたのですが、今日ではむしろ青葉若葉の陽暦 5月の、空が晴れわたっていることを言うことが多くなっています。
6 月に入ると天候がはっきりしない日が続き、やがて気象庁が「梅雨入り」を発表します。そして約 1か月、うっとしいじめじめした時季が続くことになりますが、サラリーマンにとってはうれしいボーナスの時期でもあります。手取り額を想像しながら梅雨明けを待ち、夏のレジャーなどに思いをはせる方も多いことでしょう。
ところで、日本ではじめて天気予報が発表されたのは明治17年 (1884年)6月 1日のことでした。
「全国一般、風ノ向キハ定マリナシ。天気ハ変ハリヤスシ。但シ雨天勝チ」というのがその時の発表です。どこに発表したかというと交番の前に張り出したのだそうです。
新聞では明治21年 (1888年) の「時事新報」、ラジオはNHKの本放送がはじまった大正14年 (1925年) から天気予報が報道されるようになりました。
さて、 6月中旬になりますと税務署から「予定納税の通知書」が郵送されてきます。
予定納税とは、確定申告をして所得税を納めている方のうち、前年に一定の所得があった方について、今年の見積もった所得税の年税額 (「予定納税基準額」といいます)の三分の一ずつを 7月 (第一期) と11月 (第二期) の 2回に分けて納める制度です。
一般的には、前年の申告納税額が15万円以上の方については、三分の一ずつを 7月末と11月末までに納付し、来年 3月の確定申告で 1年分を精算することになります。
この制度は、納税者にとっては確定申告時にその年の所得税額の全額を納付することになりますと、納税が非常に困難になることがあるほか、国家財政の面からみて歳入の平準化を図るということから設けられたものです。法人税や消費税でいえば、中間申告に相当するものです。
毎年継続してこの予定納税通知書を受け取っている方はともかく、今回はじめて税務署から郵送されてきた方にとっては、「おや、何だろう?」といった疑問を持たれる方も多いようで、私どものところに問い合わせがあることがあります。
前年と大幅に状況の変化があり、予想される今年の所得税額がかなり下回ると見込まれる場合には、予定納税額の減額をしてもらうこともできますが、予納しておくものだし、来年の確定申告で一度に納付すればよい、資金的にも大丈夫だとして、期限内に納付しないで放置しないよう注意してください。納付期限の翌日から延滞税がか
かることになります。
税理士法人みらい
代表社員税理士 松尾 正