正月が明けると税務署は確定申告態勢に入る。
税務署の対応の定番は、プレハブの建設である。年末には、出来上がっている税務署もあった。プレハブが出来上がると、どうやら、ムードは整った。アルバイトの採用も確定申告の定番だ。事務室が狭い税務署では、署の空き地にプレハブを建設する。大方の税務署は、空き地も庭もないところがある。プレハブは建設できない。
都内では、幾つもの税務署が、集中的に申告書を受け付けている。民間ビルの空間を借りている。納税者に知ってもらわないと効果がない。過剰なPRも如何かとは思う。
さて、所得税の確定申告が、大衆的になって久しい。我が国の確定申告提出数は、21年度で2,367万通になるというから、国民五人に一人は申告することになる。
終戦直後には、確定申告する者は、国民の極く僅かだった。終戦後の一時期、申告期限が2月末日で在ったこともあるらしい。日本の風習が、3月15日に変えたらしい。年末から2カ月もあれば、確定申告の資料が整うのではないか。
しかし、日本の風習として、正月の三ケ日、15日の薮入りが在って、国民は、半月は正月気分で働けない。申告の準備が出来ない。
そこで、政府は日本国民の風習?を重視して、申告期限を半月延ばして3月15日としたらしい。
ある時から、申告の提出が急増した。還付申告が増えたからである。医療費控除や雑損控除を機能させれば、年末調整の済んだサラリーマン(給与所得者)でも税金の還付が受けられる。
昭和44年に参議院に当選して来た、野末珍平(和彦)先生が、書物で、サラリーマンが申告すれば、税が還ることを慫慂した。
還付申告は、21年度分では1,299万通あった。提出申告数の約半数になる。
法律上、還付申告は確定申告といわない。確定申告の期限は2月16日から3月15日である。還付申告者は期限が無いから、時効になるまでは、いつでも申告が出来る。