「石麻呂に我もの申す 夏やせに良しといふのも 鰻(むなぎ)捕りめせ」
万葉集巻十六 大友家持
奈良時代の万葉集に歌われたように、鰻は古くから体に良いと伝えられてきました。鰻は脂肪分が多く、100g当たりのエネルギーが340kcalもあります。この事から夏バテに良いとされており、また、鰻にはカルシウムやタンパク質を始めビタミンAやD、Eも多く含まれています。
現在のような形式で店舗を構え、鰻料理屋が江戸の町に登場したのは安永6年(1777年)。それから間もなく、評判記が多数発行され、どこの鰻屋が旨い、鰻はどこそこで捕れた物が良いと、通がうんちくを傾けていました。もともと江戸前と言われる言葉の由来も、江戸の前海で捕れる鰻の旨さを自慢した江戸っ子のお国自慢が始まりでした。
江戸っ子にとって蒲焼きは蕎麦と同じようにかきこむように、山椒はさらっと掛けるか器の隅にのせて必要な分だけつける。そんなスタイルが粋と称されました。
土用の丑に鰻を食べる習慣も江戸の町に店舗が登場してから。当時活躍した学者、平賀源内(1728〜1779年)がある店舗の為に宣伝を行ったのが事の始まりとされています。
今年の土用の丑の日は7月27日です。ここ数年来は稚魚の不漁が伝えられていますが、土用の丑の日には鰻を食べて夏を乗り切りましょう !
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