記録的な豪雪、豪雨に竜巻、超大型台風・・・近年極端な天候が多くなってきているように思われます。気象庁では30年に 1回以下しか起きないまれな現象を「異常気象」と定義していますが、このところ毎年のように異常気象が起きているように感じられます。じわじわと進む地球温暖化が異常気象の引き金になっているともいわれており、二酸化炭素 (CO2)など温暖化ガスが増えて気温が上がれば大気中の水蒸気が増えて、上昇気流となって積乱雲を発達させ異常な気象が起きやすくなるとよく耳にします。海水温度の上昇は台風の発達を促すと気象情報などでもいわれていますが、竜巻や台風にすべて温暖化が影響しているとは未だ解明されていないのが現状のようです。また異常気象は日本ばかりでなく世界各地を襲っており、もともと自然界では気温が高かったり低かったり、雨が多かったり少なかったりするものですから、地球温暖化と個別の異常気象との直接の因果関係の研究は緒に就いたばかりで分かっていないのだそうです。
気象庁は先月22日関東地方の梅雨明けを発表しました。平年と比べると 1日遅く、梅雨の期間は平年より 4日、昨年より21日も長くなっていますが、今夏は昨年のような異常な暑さではなく、全国的にほぼ平年並みの暑さと予想していますから異常気象が多く現れるとはいえないとしています。とはいえ 5月の連休明けに沖縄地方から始まった今年の梅雨は、ないとされる北海道にまで及び地元で「蝦夷梅雨」という長雨となりました。また 7月初めには発生した過去最強クラスの台風 8号は沖縄県を直撃し、梅雨前線とともに日本列島に沿って北上しました。この影響により日本列島各地に1時間に60ミリ以上の激しい雨を降らせ、長野県では大規模な土石流が発生しました。東京西部では大量のひょう (雹) を伴うゲリラ豪雨が観測されました。東京都三鷹市の住宅地では雨水に混じって大量のひょうが流れ込み、側溝に氷の粒が30センチ以上積もったり道路は通行止めとなったりしました。気象庁は今年の梅雨時だけでも連日各地に風や雨などの特別警報を発したものです。
「特別警報」とは昨年 8月から気象庁で運用が開始されたものです。特別警報は警報以上の危険が迫っている場合で、大雨は 3時間、48時間の降水量が数十年に1度の数値になることが予想される場合、台風は中心気圧が 930ヘクトパスカル以下または風速50メートル以上が予想される場合などに発令されます。特別警報が発令されると住民は避難所に移動するなど、「ただちに命を守る行動」をしなければなりません。例年 8月 9月は台風が多発する時季、異常気象が起こりやすくなります。加えて暑さはこれからが本番、真夏日、熱帯夜は当たり前最高気温が35度を超える猛暑日も珍しくなくなります。「こまめに水分を補給し、適切な冷房」によって、熱中症にも十分注意してまいりましょう。
税理士 松 尾 正