代表者ブログ 「ひまわり8号」(H27.08.01版)

 このところ異常気象が日常化しつつあるように思われます。夏の風物詩の夕立はゲリラ豪雨となって、全国各地に1時間に50ミリ以上のバケツをひっくり返したような大雨を降らし、大規模な土砂崩れ、洪水などの災害をもたらしています。
 気象庁は、日本の気象を宇宙から見守る新型気象観測衛星「ひまわり8号」を7月7日から正式に運用を開始しました。最新のセンサーを備え、性能が先代の7号より大幅にアップし、今後の気象予報精度の向上が期待されます。1号の画像が初めてテレビに登場したのは今から38年前のことでしたが、8号からの情報は気象予報の新時代、天気予報の革命の到来という専門家もいます。そのひまわり8号の優れた性能などを抽出してみましょう。
 1 天気予報の革命

①7号は30分ごとに撮影していましたが、日本付近の限られた範囲であれば2分30秒ごとに撮影できる ②気象衛星としては世界ではじめてカラー画像が撮影できる ③カラー画像が撮影できるため雲と見分けることが難しかった火山灰や黄砂が高度や温度で区分できる(試験運用中の5月下旬、鹿児島県口永良部島の爆発的噴火で火山灰が広がる様子がテレビなどで放映されたところです)

 2 ゲリラ豪雨をキャッチ

 従来は1000m四方の予報が500m四方の予報となり、ゲリラ豪雨など大きな災害をもたらす積乱雲の急激な発達について細かくリアルに監視できる(気象庁では、積乱雲の監視について衛星のほかに全国20基の気象レーダーなどを活用していましたが、レーダーがとらえるのは雲の中の雨粒であり、雲が発達する兆候を把握し集中豪雨を予測することは実用化されていませんでした)

 3 より早くより正確に

 送られて来るデータにより、台風の進路予報や風向きの情報などの改善が図られる(もちろん雪についても、いつまでどのくらい降るのか積もるのかといった予測が可能となります)

 ひまわり8号は赤道上およそ3万6千㎞の上空にあり、いつも同じところからの映像が送られてきますが、これは衛星が地球の自転と同じ周期で公転しているためだそうです。ひまわり8号の優れた性能を気象予報にどう生かすか、気象庁では「台風の正確な進路予想や局地的な集中豪雨の防災対策につながる可能性があるが、予想技術の開発はこれから」と気象新時代への取り組みは始まったばかりといいます。昔に比べれば最近の予報は正確になったのは確かですが、精緻な観測と分析で予想精度の向上に努め「当たる」の信頼を更に高めることが期待されます。

税理士法人みらい 代表社員
税理士 松 尾  正