代表者ブログ「バスタ新宿」(H28.08.01版)

 JR新宿駅に直結する国内最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」が4月にオープンしたので、ちょっとのぞいてきました。従来新宿駅から1㎞圏内19か所に分散していた高速バス乗り場と路上のタクシー乗り場を集約したものです。思ったより待合スペースが広く、電光表示やカウンターなど一見して地方空港のようでした。バスタ新宿は3~4階にバスやタクシーの乗降場を設け、1~2階はJR改札やホームと直接行き来きできるようになっており、最寄りのJR新宿駅「新南口改札」からわずか2分で行けます。小田急線、京王線、京王新線の各駅、地下鉄の都営新宿線、大江戸線、東京メトロ副都心線、丸の内線のそれぞれの駅からも4分から10分で到達できます。観光情報施設も併設されており、高速路線バスが39都府県との間を結ぶ一大交通拠点で、東京の新しい玄関口となっています。
 待合室や停車場は、大勢の利用客でにぎわっており、大きな荷物を持った外国人観光客の姿も目立ちました。利用者は「以前のように乗り場に着くまでに道を迷うことがなくなった」などと好評です。ゴールデンウィークを経て開業以来順調な出足であり、JR新宿駅南口の甲州街道には路上の客待ちタクシーがなくなって、南口の交通渋滞が大幅に緩和される効果も現れてきています。
 国土交通省によると、平成25(2013)年度の高速バスの利用者数は1億1千万人、1日当たりの運行は1万4000便で、10年前の平成10(2003)年と比べると、年間利用者数は2600万人増加し、1日当たり8000便が増加しているといいます。理由として高速道路が整備されて高速バス運行が増加したこと、新幹線など既存の長距離移動手段より値段が安いことが利用者の増加につながったと分析しています。ゆったりとしたデラックスバスで、夜に出発して翌朝目的地に到着する利便性も人気上昇の追い風になっていると思われます。
 いよいよ夏休み本番、毎年各地の新幹線駅や空港は大勢のふるさとへの帰省客を中心ににぎわいをみせますが、今年から割安さで人気が上昇中の「バスタ新宿」が加わります。バスの利便性が高まって、今後はJRとの客の奪い合いが予測されますが、JR東日本では「相乗効果がある。全体として(人の)流動を増やす」と歓迎しています。現在「バスタ新宿」の施設内には、自動販売機は充足しているものの売店や飲食店がなく、利用者からは「売店を作って欲しい」などの更なる利便性が求められています。

税理士法人みらい 代表社員
税理士 松 尾  正