家相建築設計事務所様 連載(138 )~家相の流儀・流派 ~

賃貸物件の運気を上げる

家相建築のすすめ

第2回 賃貸住宅の運気を上げ張りと道路の方位

 

今回も賃貸物件の家相について説明したいと思います。家相建築の知恵を活用して、実りあるアパート経営を目指してください。

家相建築では、建物の構えを東西に長い長方形にすることが「吉相」の基本ですが、建物の一部に「張り」を設けて吉相にすることも可能です。

家相学上の張りとは、建物の一辺に対して三分の一以下の範囲で、一か所のみを均等に張り出すことを言います。張り出し過ぎると「凶相」である「欠けとなるので、逆効果です。少しだけ張り出すことで、オーナーの運気が上がる建物になります。

一番良いのは、エントランス部分を張り出すようにすることです。例えば、南側道路に接している賃貸住宅なら、建物の東南部分を張り出させて、そこをエントランスにすれば、建物の構えもエントランスの方位も申し分のないものとなります。家相学上、建物の構えとエントランスの方位は、オーナーの運気に大きく影響するので、エントランスに張りを設けることは、吉相の効果抜群です。

ただし、エントランスを南西側に設けることは避けたいところ。南西は裏鬼門方位なので、エントランスを設けると凶相になってしまうからです。ちなみに、北東の表鬼門と南西の裏鬼門には、張りを設けても吉相にはなりません。もし、欠けにでもしてしまうと大きな災いが起きる恐れもあるので、家相学上ではこの点に注意が必要です。

北側道路に接した建物なら、建物の北西部分をエントランスにして張り出させると最良です。北東部分は鬼門なので、エントランスも、張りも欠けも設けないことが無難です。建物と道路との関係にも吉凶があります。建築基準法でも、接道基準を満たしていない土地には建物を建てることができません。土地にとって道路とは血管のような役割で、土地と道路との関係が良好であればあるほど、その土地に建つ建物の運気も上がります。

最良なのは、建物の中心から観て東南方位か北西方位に道路が接していることです。これなら、道路に接した部分のどこにエントランスを設けても、吉相といわれる東南方位と北西方位から出入りすることになるからです。家相学では、昔から東南方位を巽(たつみ)の方位と呼び、この方位に玄関や門扉を設けると、災いを除けて幸運を呼び込むと考えられています。また、この東南方位に正対する北西は乾(いぬい)方位と呼ばれ、ここも価値あるものを呼び込む大切な方位とされています。

避けたいのは、建物の中心から観て北東の表鬼門と南西の裏鬼門に道路が接している「鬼門道路」の敷地です。この場合、建物のエントランスも鬼門、道路から敷地への出入りもすべて鬼門となるので、家相建築の知恵を最大限活用したとしても、難を避けることができません。

道路が接しているのが東南方位でも鬼門方位でも、その土地の値段は変わりませんが、家相学上では、天と地ほどの違いがあります。そのため、多くの人に知ってほしい、大切なポイントなのです。

家相建築設計事務所 代表 佐藤秀海