賃貸物件の運気を上げる
家相建築のすすめ
第3回 家相と共に知るべき「地相」
今回も賃貸物件の家相について説明したいと思います。家相建築の知恵を活用して、実りあるアパート経営を目指してください。
前回、賃貸住宅の運気を上げるには、建物に吉相の張りを設け、エントランスを吉相の方位に配置するのが良いと話しました。また、建物と道路の関係が重要で、建物の中心から観て北東の表鬼門方位に道路が接している「鬼門道路」は凶相になることも解説しました。
このほかにも、「ドンタク」と呼ばれる凶相の敷地があります。これは敷地に対して道路が突き当たっている状態をいいます。完全なドンタクの敷地はそれほど多くはありませんが、家相建築では丁字路に接した敷地もドンタクとして扱うので、このような敷地に賃貸住宅を建てるのは不向きだと思います。
なぜならドンタクの凶相は、賃借人同士やオーナーとの関係性が悪くなり、トラブルが絶えないと考えられるからです。道路が突き当たった部分に建物のエントランスが配置されているケースや、その道路が敷地に向かって下がってきている場合は、家相ではさらに悪いと言えます。
完全とは言えませんが、ドンタクの凶相を避ける方法としては、道路が突き当たっている部分に植栽や塀などを設置し、そこにはエントランスを設けないことです。うまくいけば、この方法で災いを除けることができるでしょう。
残念ですが、家相建築の知恵を活用しても運気を上げられない敷地もあります。例えば、道路から下がっている敷地や立体交差沿いにある敷地。基本的に道路から下がっている敷地では、そこに建物を建てても運気が上がらないと考えられています。高圧線の直下にある敷地や線路沿いの敷地も心配です。敷地の相のことを、地相と言います。家相の影響は必ずありますが、実は家相の影響よりも影響が強いのは地相です。
地相の悪い敷地は元気がありません。全国各地に出かけて地相の調査をしていますが、採光や通風、道路など周辺環境はもちろん重要ですが、一番大切なのは、その敷地に良い気が満ちているか?エネルギーに満ちているか?を見極めることなのです。これを間違えると、まさに致命傷になってしまいます。
なぜか持ち主が頻繁に変わる敷地や、どんなテナントでも長続きせずにつぶれてしまう敷地などを調べてみると、いわく因縁のある敷地は意外とたくさんあります。古戦場や刑場などの跡地で、地元の人は誰一人手を出さない敷地もありました。火事や事故などで死傷者を出てしまったケースや、墓地や寺だった跡地も気がかりです。大型分譲地の一角だけが元気がないと感じ、周辺を見渡すとその一角だけが雑草も生えておらず、不思議に思った経験もあります。
地相が良い土地は、元気があってエネルギーが高い。だからそこに吉相の建物を建てると運気が上がります。地相が凶相だと元気がなくてエネルギーも低い。これは、家相を吉相にしても補うことが難しいのです。土地も生き物です。価格や利便性だけで判断せずに、土地の歴史やエネルギーにも目を向けて、運気の上がる賃貸住宅を目指してほしいと思います。
家相建築設計事務所 代表 佐藤秀海