家相建築設計事務所様 連載(141)~家相の流儀・流派~

賃貸物件の運気を上げる

家相建築のすすめ

第5回 流儀や流派で異なる北方位

 

今回も賃貸物件の家相について説明したいと思います。家相建築の知恵を活用して、実りあるアパート経営を目指してください。

 

皆さんは、家相にはさまざまな流儀や流派があることをご存知ですか?

書店に並んでいる家相に関連した書籍や、インターネット上にある多くの家相関連のウェブサイトも、その内容をよく見てみるとすべて同じではありません。例えば、方位学の基本となる北方位の扱いについても、それぞれ大きく異なっています。

 

方位学の基本は、正しい北を知ることから始まります。正しい北の位置が分かれば、東西南北などの各方位が必然的にそこから明らかになるわけです。実は、この北にも種類があるのです。

北には、「磁北」と「真北」の二種類があります。磁北とは、磁石が示す北方位です。家相建築では、この磁北を用いて家相の吉凶を判断します。また、地図上に示された北を真北といいますが、この真北で家相の吉凶判断している流派もあります。どちらの北を判断基準とするのかが、家相の流派によって異なるのです。この磁北と真北の差がどの程度違うのかというと、日本の地理ではおよそ5度から10度ほどの違いがあり、例えば東京では磁北が真北よりも西へ7度ほど傾いています。この数値については、国土地理院のホームページに掲載されている「磁気図/偏角一覧図」で確認できます。

諸説ありますが、私は家相の影響を正しく判断するためには、真北ではなく磁北を基準とする考え方が正しいと思っています。理由は簡単です。家相は自然の摂理にのっとった学問ですから、同然、磁石が示す磁北が基準になるからです。地図上で示された真北ではありません。何千キロメートルもの長い距離を移動する渡り鳥は、もちろん、地図を見ているわけではなく、自然界にある磁気を感じて移動をしています。私たち人間が地図を頼りに移動する場合にも、地図上に示された北を磁北に補正しながら進まないと、目的地にたどり着くことはできないのです。

 

家相建築の世界では、この磁北と真北の間違いがトラブルを引き起こす事例もあります。

一番多いのは、正しいと思っていた磁北の位置が、実は間違っていたケース。また、磁北だと思っていたのに、実は真北だったというケースなのです。家相にのっとり磁北を使い自宅を建てた人が、竣工後、実は真北であったことが分かり、数年にわたる争いののち和解に至ったケースもあるほどです。

残念ながら、建築士でも正確な北にそれほどこだわりがないのです。平面図などを観ても、そこに示されている北が真北なのか磁北なのか、その根拠も含めて表示してある図面はほとんどありません。たいていの場合は、矢印などで簡易に示されています。また、公図や地籍測量図などの土地の図面にも北が表示されていますが、その北も磁北なのか真北なのかはっきりせず、正確でもありません。そもそも公図や地積測量図には正確な北を示す義務がないため、そのまま使用してしまうことが混乱する原因にもなっています。

 

その他にも、建物の中心の測り方や各方位の範囲についても、流派によって違いがあります。家相の考え方は一つではないのですが、正しい磁北で判断するという大切なポイントは、多くの人に必ず理解してほしいと思います。

家相建築設計事務所 代表 佐藤秀海