賃貸物件の運気を上げる
家相建築のすすめ
第6回 建物の中心の取り方
今回も賃貸物件の家相について説明したいと思います。家相建築の知恵を活用して、実りあるアパート経営を目指してください。
前回は、家相にはいくつもの流儀や流派があり、それによって北の扱いにも大きな違いがあることを説明しました。北の扱い方以外にも、流儀や流派によって異なる考え方があります。今回は、その中でも、家相学上の中心点について説明したいと思います。
私が提案する家相建築では、建物の重心点を家相上の中心とするので、とてもシンプルな考え方です。例えば、建物の形が長方形であれば、対角線の交わる交点の部分が重心、中心点になります。
しかし、ほかの流儀や流派では、建物の形に関係なく神棚や仏壇、床の間の位置を中心とする考え方もあります。確かに神仏は大切ですが、どこにあっても家相学上の中心点ということにはなりません。建物の形に合わせた重心点を、家相学上の中心と考えることが適切だと思います。
また、家相学上の建物とは、基本的に基礎と床、壁、天井で囲まれた場所を指すので、玄関ポーチの屋根だけでは建物の一部として考えません。出窓やバルコニーも同じです。ただし、サンルームのように囲い込まれているものは建物の一部とします。建物の捉え方も、流儀や流派によって違うことがあります。
このように建物の形によって中心の位置が決まるので、建物が長方形ではなく、凸凹した形であれば、その形に併せて中心の位置も変わります。家相学上、吉相と言われている張りは建物の大きさに対して全体の三分の一以下の大きさになるので、それほど大きくはありません。張りがある場合には、当然その張りの部分も含めて中心を求めます。張りとして扱う以外の凸凹はすべて凶相の欠けとなりますが、欠けの部分を含めて中心を出すのが自然だと思います。
しかし、「小さな凸凹はないものとして中心を求める」「欠けは凶相なので、欠けの部分もあるものとして求める」といった、強引な考え方もあるようです。建物に凸凹があるのに無視するような考え方では、正しい家相判断ができるとは思えません。
家相は自然の摂理にのっとった学問なので、基本的には道理に反した考え方はないのですが、それを扱う人間の都合の良いように解釈されている点も見受けられるのが、とても残念なことだと思います。
家相学上悪いとされる凶相の家の形に、凹型・L字型・三角形があります。三角形の場合には、ほかの二つと違った意味があるので今回は説明を省きますが、凹型とL字型の家については、中心が取れないケースも出てきます。つまり、建物の形に合わせてバランスの取れる中心・重心点が存在しないということです。大きな中庭のある家でも同じように中心が取れない家となります。こうした家は家相学の規格外になるので、家相の知恵を活用することができません。
また、方位は中心点から放射線状に広がっていくので、中心点には、鬼門や十二支方位などのすべての方位の要素が凝縮しています。このことからも、正しい中心点を求める大切さがわかると思います。皆さんにもこの大切さをよく理解して、家相の知恵をただしく活用してほしいと思います。