税理士並河の確申便り

1 年金の申告について
 少子高齢化社会になり、年金生活者が年々増加していますが、申告事務の簡素化のため平成23年度以後は公的年金の収入が400万円以下で且つ公的年金にかかる雑所得以外の所得が20万円以下の場合、確定申告が不要になりました。
 この場合であっても医療費控除等で所得税の還付を受ける申告書の提出は受け付けます。
 公的年金の収入が400万円を超える人はそう沢山はいないので申告件数が多少減るのではと予想されましたが、年金以外の複数の所得や還付申告等があって、思ったほどではなさそうです。
 所得税は所得区分が10種類に分けられており、公的年金は「雑所得」の範疇に入ります。
 余談ですが、「雑所得」とは他の所得に当てはまらないもろもろの所得をさし、年金所得は「給与所得」、「事業所得」と肩を並べるほどよく使われる所得なので「年金所得」として独立させることを提案したい。
所得を10種類にこだわるなら、頻度の少ない「山林所得」を「事業所得」の中に入れるやり方もありそうです。
2 住宅取得資金と税
 慢性化している不況に景気下支えの役割を担って、住宅振興策に税の特典があります。
 新たに住宅を取得する際の資金源として ①現在住んでいる住宅を売却して買い替える②銀行から借り入れる ③自己資金 ④親からの生前贈与等とこれらの組み合わせが考えられます。
 税ではこの資金源ごとにインセンティブを与えていますが、最もポピュラーな形としては②の住宅借入金によるもので、ローン残高に10年間の税額控除の税の特例があります。   
最近はローンを組むには先行き不安があるせいか、頭金や代金を④の親からの贈与による人が増えています。
 直系尊属からの住宅資金贈与の非課税枠は平成23年度、24年度とも1000万円です。
(平成24年中贈与を受けた者で省エネ耐震性備えた良質住宅の場合1500万円)
 さらに足りない場合、従来からある親からの相続時精算課税制度2500万円を使う場合もありますが、いずれのケースでも贈与税の申告が要件となっていますので該当者は3月15日の期限までに忘れずに申告してください。
 確定申告は今たけなわで、税理士法人みらいも代表者を中心に一同日夜奮闘努力しておりますが、税のご相談はいつでもお受けいたしますので気軽にご来所下さい。