赤池三男第十六話「―税を考える週間―」(H24.10.23)


 11日から17日まで、国と地方で「税を考える週間」。
 キャンペーン中の統一標語は「この社会あなたの税がいきている」
である。この標語は、昭和46年金沢国税局管内の中学生が「この社
会あなたの税が生きている」で収集作品で入賞したのもが現在も続
いている。
 因みに「生きている」は不自然だから「いきている」に改められ
た。
 我が国の税金を国民に知って貰うことが主旨。国税庁の広報と、
税を知って貰うこと。沢山のポスターと書類が作成される。
 経過は昭和29年に始まった「納税者の声を聞く月間」が最初。
 税務署長が、納税協力団体などの長を集めて意見を聴取したり、
講演会や講習会で積極的に国民に接した。小・中学生・高校生から
「税に関する」作文を募った。昭和61年度には、盲人の高校生から
寄せられた作文が最高賞を得て話題を呼んだ。
 税金に対する国民の理解を得る為に、国税庁から文部省に対して、
国民に納税の義務を、基本教育に取り入れて貰う様に要望する一方、
小中学生に、国税庁自ら租税教室を実施。管内のお酒の推進—。
 昭和31年には、「納税者の声を聞く旬間」に改められ、昭和49
年から「税を知る週間」に改められた。モニター制度を設け、管内
の識者から意見を徴して今後の発展に期する。
 いずれも表題の通り、国税庁は、執行機関だから、「声を聞いて」
も法改正に直結できない、ダミーに過ぎないではなかと言う意見が
内外に氾濫。
 そして、現在は、「税を考える週間」に。考えるのは消極的である
が、誰でも出来る事。
 この期間に必ず実施するのは「納税者を顕彰」すること。優良法
人表彰、優秀作文の表彰、優秀酒の鑑定。
 何でこの時期に諸表彰を行う?
 国の行事で何と言っても大きな表彰物は、11月3日に文化勲章の
顕彰である。優秀な功績のあった国民に、天皇陛下から菊薫る善き
日に「叙位・勲章」を賜るのである。
 この月は国を挙げての顕彰の月。国・地方を問わず、顕彰行事を
実施して御祝をするのである。