元駐ケニア大使である宮村智(みやむらさとる)様が1月23日に税理士法人みらいにお越しいただきまして、3年間のアフリカ駐在生活を下に、アフリカの過去・現在・未来について映像を使いながら、分かりやすくお話ししていただきました。
アフリカは人類発祥の地と言われ、現人類であるホモ・サピエンスが10万年ほど前にアフリカで誕生し、世界各地に散ったのではという説があります。
アフリカの歴史を紐解くと古代はエジプト等を除いたほとんどの地域に文字がないため、文献が残っていません。そのため、歴史なき大陸と揶揄されています。
転機が訪れたのは15世紀初め、ヨーロッパがインドの香辛料を獲得するため、海のシルクロードを通る大航海時代に突入した頃です。アフリカはその経由地として登場し、労働力不足から奴隷貿易が始まり、その後、植民地時代に突入する「暗黒の大陸」として描かれています。
次の転機は第2次世界大戦の時期、アメリカの参戦スローガン「従属からの解放」によりパン・アフリカニズムが覚醒。アジア諸国の独立より遅れたもののガーナが1957年に独立したのを皮切りに次々と独立が相次ぎました。独立当初は民主主義政治が掲げられていたが、部族紛争による内戦や独裁専制政治家の出現等様々な理由で破綻し、多くの国が軍事強権政治、開発独裁政治、内紛長期化等に陥った。
しかしながら、21世紀に入ると先進国からの働きかけもあり以下の4つの理由で混乱と低迷を脱して、経済が成長し始めました。①民族紛争や権力闘争が収まり、平和や民主主義が定着しつつある。②天然資源の需要増加を受けて鉱物資源に加え、油田の発見も進み、天然資源の開発・輸出が増加。③援助(ODA)に加え、海外からの直接投資の増加。④アフリカ自身が21世紀を「アフリカ再生の世紀」にする意欲と自覚の高まり。依然として、多くの課題を抱える大陸ではあるが、政治的にも経済的にも着実に良い方向に向かっており、今や「希望と機会の大陸」と呼ばれ、世界の成長センターとなりつつあります。日本にとっての対アフリカ外交は日本外交の基盤強化や資源確保と市場開拓をする意味でもとても重要なもので様々な支援を行っています。
ところで、ケニアと聞くと赤道の近くでとにかく暑いイメージがあると思いますが、実は大使館の付近は1年中、日本の夏の軽井沢みたいな気候でとても過ごしやすいそうです。
セミナーの後半ではアフリカの動物や植物、ケニアの街並みや大使生活、名所など映像を交え丁寧に説明していただきました。最後に上映されたヌーの川渡りはとても迫力があり、びっくりしました。
皆さんも一生に一度、アフリカ旅行はいかがでしょうか?