赤池三男第四話「- カラオケブーム -」

 わが国で、カラオケを一度でもやった人は、約4千万人いると言う。年間の延べ利用人員は10数億人に?—。
 都内の某カラオケ店では、昼間から、老人を中心とした愛好者がスナック等500円~2,000円の料金で手軽にカラオケに興じている。昼カラと称しているようです。
 カラオケは、今や我が国の庶民文化の先端を行っていると言っても過言ではありません。
 ”カラオケ”は空オーケストラの創作和製英語で、一般大衆音楽の練習場として、また、歌の披露場として、利用されています。
 愛好者はただ唄っていれば良い、というものでも無さそうです。店にお客が居て、拍手を貰うと満足感が出るらしく、他人様から賞賛されると張り合いがあるらしい。(ちなみに、筆者はカラオケが好きでは有りません。理由は、自分が下手だからです。)歌を唄って声を出すと、健康に良いと、カラオケを進めるお医者さんもいます。
 機器の最大手は㈱第一興商らしくDAMと称しています。ここでも、カラオケ健康法を見出しました。予防介護者・口腔・認知症の者を対象に機器に音楽、振付映像を入れて、画像を見ながら身体を動かす。ラジオ体操、テレビ体操と同じように考えれば良い様です。家庭でも、集合でも手軽に出来ることを考えているらしいです。
 現在、カラオケ機器は、全国に43万台有ると言われています。曲を出したから必ず配信されるとは限りませんから—。
歌手や作詩・作曲など制作に携わった者は、カラオケDAMに配信して貰うことが夢です。
 カラオケで唄われると、作詩、作曲家には著作権の印税が入りますが、歌手には入りません。巷間、1曲につき両作者にほぼ1円余が入ると言われています。全国に43万台ある機器で、2回唄われる有名作者が居れば、一夜にして、何と約100万円になりますから、ややや!決して小さな金額では有りません。
 ある歌謡曲業界の有力者が、今の歌謡曲は「詞も、曲も類似したものがばかり—」と嘆いていました。しかし、類似した、優しいものでないと、庶民に唄われないから、とも言っています。
 なるほど、巷に流れている曲は、類似ものが多いですね。唄われても、長続きするかは別問題だと、その業界人は言っています。(了)