こんにちは、佐藤秀海です。
それでは、前回に引き続き、家相学の吉凶判断の基本である五つの要素の中の、建物の構えについて詳しく説明をします。
1,建物の構え(形)
家相学では、建物の構えは凸凹がない長方形を無難と考えます。採光などにも適した東西に長い6対4のバランスが良いといわれていますが、基本的には、長方形や正方形の構えはすべて無難な構えと判断してください。
たとえば、建物の構えを吉相とするためには、「張り」と呼ばれる出っ張りを設けます。張りとは、建物の縦方向・横方向のどちらに対しても一辺の三分の一以内までの出っ張りのことで、この程度の出っ張りは建物本体の構えを崩すことがありません。
しかし、この張り以外のものはすべて凶相の「欠け」と判断するので、つまり、家相学では、長方形や正方形の無難な構え、張りを設けた吉相の構え、それ以外はすべて欠けのある凶相の構えという三種類に分類されます。
吉相の構えの代表格といえば、建物の北西と東南方位の二箇所に張りを設けた複合相の構えです。北西方位は財産や金運を開き、東南方位は人間関係を充実させて信用を高める力があるので、この二つがほしい人は、こんな家に住んでほしいと思います。
もし、財産も信用もいらないという人なら、北西方位と東南方位に欠けを設けた家がおすすめですが、私なら絶対にそんな家には住みたくありません。
ただし、構えを吉相にする張りでも、建物の中心から見て北東の表鬼門方位、南西の裏鬼門方位には設けることが出来ないので、この点にも注意してください。
家相学上、最も凶相の構えといわれているのはL型や凹型の家です。中庭などを取ったプランに多い構えですが、極端に変形させてしまうと建物の重心が取れずに、家相を観ることも出来なくなってしまいます。言うなれば、家相学の想定外の家ということですね。狭小敷地などでは中庭からの採光を取りたいのもわかりますが、採光を得た以上に家相上では失うものが多いということです。中庭を取らなくても採光を確保できる条件の敷地が理想ですが、やはり、限られ条件の中で最良の選択をするしか方法はありません。
また、建物の構えの吉凶は大地に根をおろした1階の構えで判断するので、2階以上の構えに制約はありません。ひとつだけ注意してほしいのは、1階よりも2階がはねだしたキャンチレバーです。これは立体的な欠けとなり、自営業の方から「倒産の家相」として、知る人ぞ知る凶相の構えです。山や大木、お城やピラミッドもそうですが、大地に接する部分がしっかりとして、その上がだんだんと小さくなっていくのが自然の理ですから、この理に反する建物は、建ててはいけないのが家相の教えです。
店舗や事務所には、1階部分を駐車場にしているケースも見かけますが、この家相も「下駄履きの家」という凶相の構えにあたります。しばらくは繁盛しても、長い目でみると?と思うのは私だけでしょうか。皆さんも、ご自身の経験の中で思い起こしてみてください。結構、思い当たることがあるのでないでしょうか。
建物の構えは重要なのですが、建築業界ではほとんど考慮されることはありません。家相を知っている人と知らない人の差が大きく出てしまうポイントです。また、いったん出来上がった家の構えをリフォームするのは本当に大変なので、転ばぬ先の杖として、事前に知っていてほしいと思います。
次回は、家の顔である玄関についてお知らせしますので、ご期待ください。