家相建築設計事務所様 連載③~家相の流儀・流派~


 こんにちは、佐藤秀海です。
 
 それでは前回に引き続き、家相の流儀や流派によって吉凶の判断が違ってしまうことについてお知らせします。
 
 皆さんは、「鬼門」(きもん)という言葉を聞いたことがありませんか?家相学の中では最もポピュラーな単語で、それこそ、家相について論じるときに避けては通れない重要なワードです。鬼門とは、北東の45度の範囲と南西の45度の範囲を指し、北東を表鬼門、南西を裏鬼門と称します。 一言で言ってしまえば、誰に対しても危険な方位で、この範囲に家の顔である玄関、キッチンのガスレンジや給湯器などの火気、トイレや浴槽などの水まわりを配置してしまうと、災いが起きます。そのため、自分に対して相性が悪く、苦手な人や場所を指して、「どうもあの人は鬼門だ」とか「あそこは鬼門なので行きたくないな」と、例えにも使われるほど知られています。
 今から30~40年前までの家相学では、この鬼門が吉凶判断の中心でした。まあ、家相家もどき程度の人は、この鬼門のことだけ知っていれば何とかなった時代です。しかし、家相は、進化する学問なので、時代と共に変わります。江戸時代に遡ってみても、電気やガスがないのは当たり前で、トイレや浴室など、現在のものとは比べようもありません。生活習慣や住宅設備の変化に合わせて、必要な部分と省いてよい部分をバランスよく取り入れながら進化しています。だからこそ、不必要と思われるものはどんどん淘汰される今の世の中でも、家相は残っているのかも知れません。
 
 現在の家相学では、誰に対しても影響を与えてしまう鬼門方位と、新たにその家に住む家族それぞれの十二支方位をあわせて吉凶を判断するようになりました。この違いが大きいのです。誰に対しても危険な鬼門方位と、そして、その家に住む個人の十二支方位の両方を網羅することによって、現在の家相の精度は格段に上がりました。
 
 しかし、今でもこの十二支方位を考慮しない流儀や流派も多く、家相に関する書籍での扱いも統一されていません。まあ、車庫の家相を判断するのに、昔の馬小屋の家相で判断する家相家もいるのですから、お恥ずかしい限りです。家相に関わるならば、建築に関する知識や最新の情報に興味を持つことは当然で、新しい考えを考察し、実例をかさねて検証するのが、家相家の大切な使命でもあります。
 ちなみに、携帯電話やパソコンなどがこれだけ普及し、家の中にも多くの家電製品があふれている状況では、これらの電気製品が人間に対してどんな影響を及ぼすのか、興味があるところです。これから検証を重ねるとしても、後何十年もかかるでしょうから、判断は次代の家相家の皆さんに任せることになりますね。
 また、最近の流行でもある高断熱・高気密の家の影響も気になります。外の世界からまったく遮断された空間で生まれたときから過ごす子供たちにどんな影響が出るのか?超高層マンションで何十年も暮らして、何の影響もないのか?興味はつきません。家相学は懐が深いので、究めるためには、それこそ、必死です。
 
 最後に、十二支方位について説明します。十二支方位とは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥と、文字通り十二種類あり、先頭の子方位が北の中心の15度の範囲を指し、それぞれ時計回りに寅方位・丑方位・卯方位と続きます。参考資料として、いくつかの方位盤も用意したので、ご覧ください。
 

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方位